トラック・バス用タイヤ販売店の知られざる世界…国内トップレベルの現場を見た

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株式会社中部タイヤセンター 西部営業所(愛知県海部郡飛島村)
  • 株式会社中部タイヤセンター 西部営業所(愛知県海部郡飛島村)
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  • 株式会社中部タイヤセンター 西部営業所(愛知県海部郡飛島村)
  • スカニアのトレーラーヘッド。ロケット部品を運ぶためのもの特殊車両だという
  • 株式会社中部タイヤセンター 西部営業所
  • 中部タイヤセンター代表取締役社長の林 鋼司さん
  • 中部タイヤセンター代表取締役社長の林 鋼司さん
  • 中部タイヤセンターのTBタイヤチェンジャー付き出張車

日本ミシュランタイヤは7月2日、同社がトラック/バス(TB)タイヤ事業で推進している「ミシュラン 3R」のメディア向け説明会と見学会を株式会社中部タイヤセンター(名古屋市)で行った。

見学会が行われたのは、取扱貨物量が13年連続で日本一という名古屋港にほど近い、名古屋市海部郡(あまぐん)飛島村(とびしまむら)にある株式会社中部タイヤセンター西部営業所。

創業1969年の同社は、トラック/バスタイヤの独立系販社であり、全国で10社ほどしかない「ミシュランTBプレミアムディーラー(MTPD)」に認定されている国内トップレベルの販売店として、近隣の物流会社向けにクオリティの高いサービスを提供している。取扱タイヤの約8割が大型トラック向けだが、対象となる車両はトレーラー、大型リフト、港湾作業用の特殊車両などさまざまだ。

同社の代表取締役社長である林 鋼司さんは、「名古屋港に近い関係上、鉄鋼部品、コンテナ、輸出用完成車などの陸上輸送を担う大手物流企業が多く、早くから高い技術力の必要性に気付くことができました」と語る。レベルの高い要求に応え、信頼を得るために、同社独自で技術や意識の向上に努めてきたという。

実際、今回見学した同社の西部営業所には、大型トラック向けのタイヤ販売店と言われて思い浮かべるような雑然とした雰囲気は一切ない。ピットは大型トラックや特殊車両が何台も入れそうなほど広く、高い天井にはレールが走り、そこからエアツール用のホースが下がっている。床に這わせると作業のジャマになるからだ。コンクリートの床はゴミひとつなく清掃され、タイヤの脱着に使うツールは整然と所定の位置に並べられている。広さを除けば、サーキットのピットルームのような感じだ。

取材中には、日本では珍しいスカニア(スウェーデン)のトレーラーヘッドがタイヤ交換を受けていた。海上輸送経由で愛知県から種子島までロケット部品を運ぶためのもので、日本では極めて特殊な車両だという。日本ミシュランタイヤ TBタイヤ事業部 セールスマーケティング部マネージャーの秋田 修さんによると、外したナットの整然とした並べ方や締付けトルクの入念な管理など、中部タイヤセンターが行うタイヤ交換作業の丁寧さには目を見張るものがあるという。

構内ではリグルーブ作業も見学できた。リグルーブはミシュランタイヤで研修を受けた販売店スタッフが各店舗で行う。新しく溝を刻まれたタイヤは新品かと思うほどバリっと見える。秋田さんによると、これほどの仕上がりは達人級とのこと。

また、同社では出先で作業するための出張車(トラック)も一つの営業所に6台、計12台用意。うち2台は大型TB用タイヤチェンジャーを搭載した特注車両で、出先でタイヤのはめ替え作業ができる。タイヤ/ホイールを営業所に持ち帰って作業する必要がないため、顧客が車両を使用できない時間を最小限にできる。

さらに同社では遠隔地でパンクなどタイヤのトラブルが発生した場合に対応する「ミシュラン・レスキュー・ネットワーク」に加盟し、顧客に安心感を提供するほか、愛知県西部地区のレスキュー作業にも参加している。運送会社やドライバーにとっては、まさに頼れる存在だ。

そのほか、顧客向けに営業所でスタッドレスタイヤなどを保管するサービスも提供。預かりタイヤは現状で5000本ほどに達しているという。もちろんメンテナンス内容を記録して車両の安全管理に活かすといった顧客サービスも徹底されている。B to Bならではのサービスクオリティは、高級車ディーラーのそれを上回るものに思えた。

《丹羽圭@DAYS》

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