【マツダ ロードスター 試乗】風を友にし、オープンカーの魅力を伝えるクルマ…諸星陽一

試乗記 国産車
マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ AT
  • マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ AT
  • ロードスターのトランスミッション(AT)
  • マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ AT
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  • マツダ ロードスター
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  • ロードスターのトランスミッション(AT)

『ロードスター』は風を切り裂くオープンカーじゃなく、風と一体になるオープンカーだ。

ワンタッチで開放できるソフトトップは手動で操作するタイプ。どんな電動ソフトトップよりも早く開閉できるし、なんの不便も感じない。それよりも、走り出す前にオープンにするという儀式を行うことがいかにもロードスターらしい乗り方なのだ。ロードスターはソフトトップを開けた姿がデフォルト。駐車場からクルマを出すときには、出入り口のシャッターを開けるのと同じように、ソフトトップを開けるものだ。

試乗車はATモデル。もちろんATであっても、スポーティに走ることが可能だ。シートに座って頭上を見上げると、そこに広がるのは青い空だけ。ウインドシールドが迫ってしまい圧迫感を高めるようなことはない。サイドウインドウを開けて外に立つ人と会話すると、このクルマのシートポジションが低いことがわかる。外にいる人に声を掛けるとき、ミニバンからのように高い位置からではなく、低い位置から掛けられるというのは話をしやすい状況を作れる。

ATセレクトレバーはMTのシフトレバーのようにスリムなもの。軽いタッチでDレンジを選びアクセルペダルを踏み込むとスッとスタートする。ATはレバーでもステアリングコラムのスイッチでもマニュアル操作が可能。どちらで操作してもレスポンスのいい変速ができる。シフト操作を省く、クラッチ操作を省く…ことでアクセル操作やステアリング操作に集中することができる。クルマ選びのひとつ選択肢としてはありなのだが、ロードスターはMTの出来が非常にいい。AT限定免許でATしか乗れない人は、ロードスターのよさを知り、ぜひとも限定解除に挑んでほしい。

ソフトトップを開けて、ワインディングを走っていると、風が前から後ろへときれいに抜けていく。多くのオープンカーは、後方から風を巻き込み首筋あたりを風が撫でることが多いが、ロードスターはそうしたことがない。ロードスターはハイパワースポーツカーのように空気の壁を引き裂いて前に進むクルマではない。風を友にし、風と共に前に進むクルマだ。筆者は初期型であるNAロードスターを10年所有したことがあるが、ふたたび持ちたいと強く思わせる試乗であった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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