JR東海は6月25日、炭化ケイ素(SiC)を用いた新幹線車両用駆動システムを開発し、実用化のめどが立ったと発表した。
開発は東芝や日立製作所、富士電機、三菱電機と共同で行っており、2012年から検討を開始。2014年には装置の試作に着手した。変圧器から供給される電気の電圧と周波数を変化させてモーターを制御するコンバーター・インバーター(CI)に、SiC素子を採用している。
SiC素子は発熱が少ないという利点があり、冷却機構を簡素化できるほか、CIやモーターの小型軽量化にもつながる。JR東海によると、N700系の現在の駆動システムに比べ約20%の軽量化を図ることができ、さらに機器類の小型化により設計の自動度が増すという。
今年は試験車両を用いた走行試験を実施。高速鉄道の車両を使った営業線上での走行試験は世界初とみられる。JR東海は今後、東海道新幹線への導入を検討していくとしている。