【マツダ ロードスター 試乗】クリッピングポイントに視線を移すだけで身体が自然に操作する…諸星陽一

試乗記 国産車
マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ 6MT
  • マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ 6MT
  • マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ 6MT
  • マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ 6MT
  • マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ 6MT
  • マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ 6MT
  • マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ 6MT
  • マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ 6MT
  • マツダ ロードスター Sスペシャルパッケージ 6MT

やっとのやっと。量産型『ロードスター』をワインディングで乗る機会がやってきた。しかも梅雨の合間のドビーカンだ。

ロードスターに乗るのはこれで3回目だが、前の2回は雨。オープンカーはやっぱり晴れた空で乗りたい。オープンへの儀式は至って簡単。ソフトトップ前方のロックを室内から外し、後方へまくり上げ、押し込めばロックする。カバーも掛けることなくキレイなオープンスタイリングを実現する。

適度な重さを持つクラッチを踏み込みロードスターをスタートさせる。レッドゾーンの7500回転までスッキリと回るエンジンをコントロールするのはオルガンペダルのアクセルペダル。踏み込み量、踏み込みスピード、ヒール&トゥ、なにをとってもやりやすい。

加速はけっして力強いものではない。マツダが最近注目を受けているディーゼルターボようなトルクフルな感じも受けない。ただ、ひたすら素直。エンジン回転にシンクロしてスピードを上げていく。その素直さが気持ちいいのだ。

足まわりの素直さもいい。ステアリングを切ってからクルマが曲がり始めるまでの絶妙のクイックさ。レーシングカーのような過敏さは備えず、それでいてファミリーカーのようなダルな部分がない。驚くべきはさらに乗り心地もいいのだ。荒れた路面を乗り越えても不快な感じを受けない。コンパクトな2シーターオープンでそれを実現しているのは驚異的なことともいえる。四半世紀に渡りロードスターを造り続けて来た蓄積はハンパなものじゃない。

ねらったラインを正確にトレースするというじつにシンプルな性能を忠実に確保している部分には本当に関心させられる。コーナーの入口でクリッピングポイントに視線を移せばあとは身体が自然に操作する。その操作をうながすためにステアリングに伝わるインフォメーション、シートからのG、ロール感……ここまで計算されているクルマはそうあるものではない。ロードスターに乗るだけで、運転が上手になるのは間違いないだろう。

「Sスペシャルパッケージ」にはトンネルブレースバーやLSDなど走りに影響するパーツがプラスして装着されている。ディーラーから出てきた状態のまま乗ることを前提とするなら、このSスペシャルパッケージをチョイスするのがベストとなるはず。もしカスタマイズを希望するなら、もっとベーシックなSを選べばいい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《撮影 諸星陽一》

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集