NEW環境展の収集・運搬・搬送エリアに見慣れたクルマたちの集団を見つけた。ゴミの収集を行う街の働き者、塵芥(じんかい)車である。展示していたのは消防車などの特装車両大手のモリタ、ダンプカーなどのボディ架装を行う極東開発工業、新明和工業の3社のブースだ。
それにしても、なぜ3台もの塵芥車が展示されているのか。それは当然ながら、それぞれが新型車であるからだ。架装したボディ自体は回転板式、あるいは圧縮式の塵芥車で従来のものと機構はほぼ同じ。新型車の特徴はハイブリッドであることだ。つまりディーゼルエンジンだけでなく、電動モーターでも走行と積み込み作業が行える塵芥車なのである。
今回、同じタイミングで3社がハイブリッド塵芥車を展示したのは、ベースになっているトラックが同じ日野『デュトロ』のハイブリッドであることが影響している。日野自動車とボディメーカーの3社がそれぞれ共同開発して作り上げたシャーシに、それぞれボディを架装しているのだ。
デュトロハイブリッドのトランスミッションとエンジンの間に走行用モーターを置くレイアウトにより、トランスミッションにPTO(駆動力取り出し機構)を組み込むことでエンジン、モーターのどちらでも積み込み作業に必要な油圧を作り出すことができるのである。
新明和は従来から、独立したバッテリーをプラグインあるいはエンジン走行によって充電し、積み込み作業を電動ポンプによって行う電動塵芥車を設定しているが、今回のイーキューブ・ハイブリッドタイプは、ハイブリッド用のモーターとバッテリーを使うため、架装部側の重量増が抑えられ、ディーゼル塵芥車と変わらない積載量が確保出来ると言う。
夜間や早朝、ゴミの収集を行う作業中の騒音低減や排気ガスの排出をゼロにできるのは、住宅地の環境改善に大きく貢献しそうだ。