KTMアドベンチャーシリーズの最高峰モデルとして5月に国内投入が予定されているのが『1290スーパーアドベンチャー』である。KTMと言えばオフロードでの走破性を意識した硬派なモデルが多い中、1290はラグジュアリーツアラーとして位置付けられ、最上級の快適性と安全性が与えられているのが特徴である。エンジンは『1090アドベンチャー』をベースに排気量を拡大するとともにフライホイール重量を増した新型クランクシャフトが採用。クラストップレベルを誇る160psの最高出力を実現しつつも低中速域での扱いやすさが増している。特に極低速での粘りが出て、発進やUターンでの扱いが楽になったことが嬉しい。とはいえ、アクセルを開けたときの加速は強烈そのもので、その気になれば3速からでもフロントが浮いてくるほど。あり余るトルクはロングツーリングでの余裕につながっているし、万が一の滑りに対してはトラクションコントロールが作動するので安心だ。注目すべきは1290で初めて投入されたセミアクティブサスペンションである。ダンピングモードはスポーツ、ストリート、コンフォート、オフロードの4種類から選択でき、1秒間に100回以上の計測情報から路面状況やライダーの要求に応じてリアルタイムにダンピング調整を行うシステムである。乗った感じは非常にスムーズで、アスファルトの凹凸を感じさせない。まるでフラットな路面を滑空しているような感覚だ。モーターサイクルとしては世界初となるLEDコーナリングライトや、曲りながらでもフルブレーキをかけられる進化型コンバインドABSなどの先進性にも刮目すべき。1回給油で500km以上を走破できる30リッタータンクも含め、冒険ツーリングをより快適かつ安全にサポートしてくれる装備を満載した、まさに頂上モデルに相応しいパッケージングである。■5つ星評価パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★快適度:★★★★★タンデム:★★★★オススメ度:★★★★★佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。
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