都心へ向かう首都高晴海線、新富町に残る環状線分岐空間のいま[フォトレポート]

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築地川公園の下に残るトンネル
  • 築地川公園の下に残るトンネル
  • 築地川公園の下に残るトンネル
  • 中央区明石町1付近から見下ろす直角カーブ
  • 首都高都心部のイメージ。赤い線がかつての晴海線延伸計画ルート。黄色い部分にトンネルなどが残っている
  • 4月22日の晴海線(晴海運河部分)報道公開時のようす
  • この築地川公園の下にはトンネルが存在する
  • この築地川公園の下にはトンネルが存在する
  • この築地川公園の下にはトンネルが存在する

首都高湾岸線から分岐し都心側へと延伸する晴海線。台船リフトアップによる橋桁架設が始まった晴海運河の現場から3km離れた新富町駅付近に、“もうひとつの晴海線”が残っている。26枚の写真で見ていこう。

晴海線は、都心環状線と築地・新富町で結ばれる計画があった。中央区が東京都に向けた「首都高速晴海線計画の見直しを求める意見書」(2010年)には、計画ルートについてこう記されている。

「“晴海~築地”区間については、地下構造となり、首都高速都心環状線銀座に合流するラインと、新大橋通りへ曲がり築地市場正門の手前に入出路をつくるライン、首都高速都心環状線新富町へつなげるラインとされていますが、これらについては、現在何らの動きもなく、事業化の見通しが立っていない状況にあります」。

晴海運河架設現場の報道公開が行われた4月22日、築地本願寺裏手にあたる門跡橋(小田原町交番前)付近から、築地川公園に沿って歩くと、都心環状線から分岐し、築地市場へ向けて掘られたトンネルや、地上へ向けた出入口用スロープなどが確認できた。これらが、環状線と晴海線を結ぶ“予定地”だ。

東京メトロ日比谷線と有楽町線が地下で交差する新大橋通り・入船橋交差点からは、直角に曲がる掘割や、トンネル入口も見下ろせる。この直角に曲がる地下ルートは、もともと築地川という運河だった。その地下1階部分につくられた晴海線予定地は公園として開放されているので、トンネル部分の構造もうかがえる。

入船橋と築地橋の間、新富町出口のスロープ脇に料金所か詰所か、小さな建屋がある。その建屋を見ながら中央区役所まですすむと、こんどは巨大な未使用のUターン路が見えてくる。計画上の分岐線をぐるっと上からまたいで出入口へと続く道か。

中央区などは、この区間について「実現の可能性が低いことを踏まえ、都市計画の見直しを行うこと」を求めている。バスケットボールやペットの散歩を楽しむ人たちの憩いの場となっている晴海線予定地。こうしていまもの残る構造物の今後については、東京都・中央区・首都高ともに「未定」にとどめている。

《レスポンス編集部》

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