【BMW 320dスポーツ 試乗】ディーゼルでスポーティ、という新感覚…諸星陽一

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日本で乗れるディーゼル車のなかで、多くのラインアップを誇るBMW。その代表的モデルともいえる『3シリーズセダン』のディーゼルに乗った。

ガソリン価格が落ち着いてきたとはいえ、まだまだ長距離移動を行う人にとって燃料代は大きな問題だ。そうしたとき、ディーゼルエンジンの存在はじつにうれしいものとなる。とくに欧州車の場合は、ガソリンがプレミアム指定となっていることが多い。

執筆時に燃費投稿サイト『e燃費』で価格を確認したところ、レギュラーが128.1円、ハイオクが138.1円、軽油が104.0円の相場。ハイオクとディーゼルの価格差は34.1円。たとえば1リットルあたり15km走るクルマで40リットルの給油をした場合、ハイオクだと5524円、軽油だと4016円。燃料の量を算出データに使う燃費では同じ15km/リットルだが、金額ベースで考えると、ガソリン車は2割くらい燃費が悪いことになる。つまり、15km/リットルのクルマと12km/リットルのクルマくらいの差があると言うことになるわけだ。

さて、320d。エンジンを始動するとディーゼルらしい排気音と若干の振動を覚えるが、不快なほどのものではない。排ガスは匂いも色もない。操作方法はBMWのルールにのっとり、セレクトレバーのノブ横にあるボタンを押しながらDを選ぶ。アクセルペダルを踏み込むとグイッと前に押し出されるようにスタートする。いつも思うのだけどBMWのアクセルペダルの重さはじつに絶妙。軽すぎず、重すぎず、疲れることなく、微妙な速度調整ができる。

もっとも、渋滞した道や高速道路ではクルーズコントロールを使って走れば、アクセルコントロールは必要ないので、アクセルペダルの設定なんて関係ない…しかしそこで手を抜かないのがBMWらしいところで好感がある部分といえる。

ハンドリングはしっかりした手応えがあるもので、もちろんステアリング操作に対するクルマの動きの正確さも申し分のないレベル。ガソリンモデルに対して何の不満もない。スポーティドライブというと、エンジンの高回転を維持しつつコーナリングを終えるというイメージがあるが、低回転で高トルクを発生しているディーゼルエンジンは、高回転を維持する必要はない。そのため、スポーティに走っても必死な感じはせず、楽に走っているように見える上、実際の操作も楽だ。約500km、3分の1が高速道路という試乗で燃費は14.7km/リットルだった。

320dの標準タイプの車両本体価格は506万円。試乗したスポーツは車両本体が527万円でオプションが装備され650.7万円の価格だった。ガソリンモデルの320i(8AT)の価格は483万円、320iMスポーツ(8AT)が511万円…こう考えると車両の価格差を燃料の価格で埋めるのは難しいが、ディーゼルならではの利点を楽しみつつ、ランニングコストを抑えられることを考えると十分に魅力あるクルマだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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