宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「航空機搭載型ドップラーライダー装置」が、2015年度文部科学大臣表彰の、科学技術賞(開発部門)を受賞したと発表した。
旅客機事故の約半数が乱気流に関連している中、現在の航空機に搭載されている気象レーダーでは、雲などがない晴天時の乱気流を検知することができない。
JAXAでは、レーザー光を使って遠方の晴天乱気流を検知する「航空機搭載型ドップラーライダー装置」を開発した。装置は、電磁ノイズの発生が少なく、レイアウトの自由度が高い。また、振動に影響されにくく、防塵性が高いなど、航空機搭載用のドップラーライダー装置として技術的優位性を持つ。
また、実際に飛行実証により、旅客機が巡航する高高度で距離9km以上の有効レンジを世界で初めて達成、従来では検知できなかった晴天乱気流の監視が可能になった。
これら航空機の安全性に寄与したことが評価され、今回の受賞となった。