ジェットスキーやスノーモービルで実績のあるカナダのBRP社が製造するCan-am(カンナム)は、日本ではあまり馴染みのない3輪バイクのブランドである。Can-amがユニークなのはフロント2輪でリヤ1輪であること。バイクを改造したリヤ2輪の一般的なトライクと逆なことからリバーストライク(逆トライク)と呼ばれている。今回試乗した『スパイダーF3-S』は2015年登場の最新モデルで、スポーツクルーザーの位置づけ。従来モデルのRTに比べてひと回りコンパクトで軽量。ライポジもシートが低く足を前に投げ出すローライダースタイルとなっている。ロータックス製の水冷3気筒1330ccエンジンは中速トルクに厚く、スロットルひと捻りで400kg近い大柄な車体をぐいぐい引っ張っていく。ビブラートがかかったような3気筒独特のサウンドも官能的だ。試乗したモデルはセミオートマタイプなので、左手グリップ部分にあるボタン操作だけでギヤチェンジが可能。リバースギヤも付いているので縦列駐車なども楽にこなせる。最近はフロント2輪でも普通のバイクと同じように傾斜して曲がるスクータータイプも出てきたが、Can-amはクルマと同じように3輪で踏ん張って曲がる。コーナリング中は外側に引っ張られる遠心力を感じるのが特徴だ。曲がるためには文字どおりハンドルを切る。この操縦感覚はクルマに近いかもしれない。ただし、うまく曲がるためにはライダー自身が積極的に体重移動してやる必要があり、その意味ではバイク的でもある。ABSやトラコン、スタビリティコントロールも標準装備ということで安全性も高く、場所さえ許せばウェット路面で軽くリヤを流しながらのドリフト走行なども楽しめてしまうスポーツ性も兼ね備えている。ゴーカート的な楽しさも満喫できるのだ。そして何といっても注目度はピカイチ。誰もが振り返って熱い視線を投げかけてくる。普通自動車 AT限定免許で乗れてしまう手軽さも魅力だ。■5つ星評価パワーソース:★★★★フットワーク:★★★快適度:★★★★タンデム:★★★★★オススメ度:★★★★★佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。
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