【マツダ CX-3 試乗】デミオの穏やかでリニアな特性からクイックな素性に変化…津々見友彦

試乗記 国産車
マツダ CX-3
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独特の“魂動”デザインで勢いがあるマツダがそれに乗り送り出した『デミオ』のSUVバージョン、コンパクトクロスオーバーの『CX-3』。

独特の5角形のラジエターマスクや全体のイメージはそのまま、また、ホイールベースは2570mmとデミオと変わらないが、全長は215mm、全幅70mm、全高は50mm伸ばし、一回り大きく、リヤはボリューム感がありリッチな雰囲気に仕上げた。デザイン的にも深みがあり、更にバランスが良い。ただ、室内寸法は、全長5mm広く、全幅10mm狭く、全高は変わらない。

CX-3の特徴のひとつは、エンジンを1.5リットル、77Kw(105ps)/4000rpmのディーゼルターボ一本に絞った点だ。高価だが低燃費のこの優秀なエンジンが主役。これに6速MTまたは6速ATが組み合わされ、FFと4WDが選べる。

インテリアはセンターに7インチのディスプレイを配するなど、デミオそのままのお洒落ももの。勿論、デザインに不満はない。

フロントシートはもう少し腰のランバーサポートが欲しい点はデミオと変わらない。が、リヤシートは腰の形状もランバーを支えてくれてこれは居心地が良い。膝のスペースは約20cm、ルーフのゆとりは10cm程度とデミオと変わらない。CX-3の後席が特に広いわけではない。ただし、広いのはリヤトランク。デミオが280リットルの容量に対して350リットルと広がった。

デミオに対して圧倒的に向上したのがディーゼルノック音の減少だ。マツダが開発した「ナチュラル・サウンド・スムーザー」と呼ぶピストンピンに仕込んだ振動体だ。

ピストンの振動を逆位相で消し“カラカラ”と低速で聞こえるディーゼル独特のサウンドを消した。効果は確かに高い。勿論、ディーゼルらしいサウンドは残っているが、耳障りなカラカラ音はなくなっている。マツダのディーゼルエンジンに対する拘りの深さに感服した。

CX-3はデミオに対して約130kg重い。そのためか、0-400加速の雰囲気は17秒台後半。デミオでは16秒台前半。約1秒遅れる。ボディがやはり一回り大きいだけにその分大人しくなった。

とは言え、低速トルクが充分にありストレスは感じないが、3000回転以上引っ張るとやや大人しい。加速性能はデミオより緩慢と言える。

タイヤはデミオの185/65R16に対して215/50R18のように1サイズ上がり、重量増加に対処。応答は良いがデミオの穏やかでリニアな特性からクイックな素性に変わった様子。

また後輪が突起乗り越えではやや突き上げ感がある。とは言え、スタイリッシュで低燃費(23.0km/リットル 6AT、25.0km/リットル 6MT)。手頃なコンパクトクロスオーバーSUVだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

津々見 友彦│モータージャーナリスト
第1回日本GPに出場し、その後日産、トヨタ、いすゞのワークスドライバーとして活躍。現在は自動車雑誌、ラジオ、Car Worldなどに試乗記を書く。サーキット走りとパソコン大好き。今は自転車に凝る。

《津々見友彦》

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