【バンコクモーターショー15】ピックアップトラック人気は健在、各メーカー展示の目玉に

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ピックアップトラックを展示・販売するいすゞ(バンコクモーターショー15)
  • ピックアップトラックを展示・販売するいすゞ(バンコクモーターショー15)
  • 三菱は新型トライトンを目玉に(バンコクモーターショー15)
  • フォード レンジャー 新型(バンコクモーターショー15)
  • トヨタ ハイラックス ヴィーゴ(バンコクモーターショー15)
  • いすゞ mu-X(バンコクモーターショー15)
  • いすゞのピックアップトラック(バンコクモーターショー15)
  • 黒山のひとだかりができていたフォード(バンコクモーターショー15)
  • 三菱 トライトン 新型(バンコクモーターショー15)

タイはピックアップトラックの一大市場だ。中でも1トントラックは、世界市場160万台(2013年)の中、ASEAN地域が約54万台、うち8割がタイでの需要を占める。小型の乗用エコカーへの税制優遇などで一時人気は移ろいだが、ピックアップトラック人気はまだまだ健在だ。

モーターショーといえば、各メーカーがメインに据えるのは未来的なコンセプトカーや、カッコいいスポーツカーというイメージだが、ここバンコクは違う。モーターショーは展示会であると同時に、一年の販売を左右する大商談会でもある。2014年は会期だけで計3万9000台を受注したという。このため、各メーカーの展示は市況や顧客の需要を反映した人気モデルや新型車がメインとなる。ここ2~3年は小型乗用車がステージを飾ったが、今年の目玉はピックアップトラックだ。

もともとタイでピックアップトラックが普及した背景には、税制優遇があった。商用車扱いのピックアップトラックは乗用車と比べて税金が安かったため、その実用性、走破性も相まって人気となった。排気量1500cc以下の乗用車を初めて購入する個人に物品税が還付(2012年は10万バーツ:約36万円)されるという税制優遇措置が終了し、小型乗用車の販売が落ち着いた今、再び「国民車」としてピックアップトラックに注目が集まっている。

三菱は2014年11月に発売し、2015年初よりラインアップを拡大した新型『トライトン』をブースに所狭しと並べた。いすゞは新型の発表こそなかったものの『D-MAX』の様々なカスタムモデルや『Mu-X』の特別仕様を飾り、コンパニオンによるダンスパフォーマンスと合わせラインアップの充実をアピール。トヨタは「販売世界一のピックアップ」というパネルとともに『ハイラックス ヴィーゴ』を展示し、来場者を惹き付けた。

この他、日産はステージのメインこそ新型『エクストレイル』や『ジューク』に譲ったものの、目抜き通りに面した一等地には昨年発売したピックアップ『NP300ナバラ』を展示。マツダも新型『マツダ2(デミオ)』を主力としながらも『BT-50』3台を並べた。

ピックアップトラックの本家とも言える米国ブランドからは、シボレー(GM)が『デュラマックス』を展示。フォードはタイ生産のグローバルモデル『レンジャー』の新型を初公開、さらに兄弟車のSUV『エベレスト』を展示した。いずれのモデルも人だかりが絶えない人気ぶりだが、特にこのエベレストの展示会場は見学待ちに60名以上の行列が出来るほどの盛況だった。来場者たちはメモやカメラを片手に、展示車のすみずみまでチェックし文字通り「品定め」をおこなっていた。

2014年のタイ自動車市場は、前年比30%を超える減少により88万台まで落ち込んだ。国民の足、ピックアップトラックの新車攻勢が活況の原動力となるか。ショー会期終了後の受注台数が、2015年のタイ市場を占う羅針盤となりそうだ。

《宮崎壮人》

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