名鉄、新デザインの増備車導入…「パノラマSuper」もリニューアル

鉄道 企業動向

名古屋鉄道(名鉄)はこのほど、2015年度の設備投資計画と名鉄グループの新しい中期経営計画を発表した。デザインを一部変更した車両の増備や、「パノラマSuper」のリニューアルなどを行う。

2015年度の設備投資額は、本年度より64.8%増やして総額約189億4300万円。内訳は鉄道事業が99億2700万円、開発事業が80億5200万円、その他が9億9300万円になる。このうち鉄道事業は旅客安全・運転保安工事に56億4100万円、サービス改善工事に42億8600万円を、それぞれ投じる。

旅客安全・運転保安工事の分野では、踏切・分岐用の自動列車停止装置(ATS)を竹鼻線などの8駅に設置。他にも耐震補強工事の推進、車両連結部への転落を防止するための幌の設置などを行う。また、三河線で運行している6000系電車ワンマン車両の大規模修繕を4両(2両編成2本)で実施し、バリアフリー化や客室の環境改善などを図る。

土木施設では、列車の乗り心地を向上させるため、瀬戸線と西尾線の計約4.6kmで枕木のプレストレスト・コンクリート(PC)化を図る。分岐器も西枇杷島駅の2基と伊奈駅の2基について弾性化を実施する。また、名古屋本線左京山~有松間の約1.0kmと犬山線江南~柏森間の約0.5kmで騒音・振動の軽減を図るためのロングレール化を実施する。線路の高架化工事は名古屋本線・三河線の知立駅付近と瀬戸線の喜多山駅付近、犬山線の布袋駅付近の3カ所で進める。

サービス改善工事の分野では、一部の車両を特別車とした2200系特急電車を12両(6両編成2本)増備。今回は外観デザインを一部変更する。通勤型電車も外観デザインを一部変更した3150系4両(2両編成2本)と3300系4両(4両編成1本)を製造する。一部車両が特別車の1200系特急電車は、既存の18両(6両編成3本)をリニューアル。外観デザインを変更するほか、車内設備もトイレの洋式化や座席の更新などの変更を行う。

このほか、名鉄病院新1号館の建設に伴い、最寄駅である栄生駅で病院口改札のリニューアルを実施。ホームのかさ上げと上屋の改良、行先表示器の更新も実施する。これ以外にも新木曽川駅の改良工事と高浜港駅の駅舎建替え工事など駅の改良工事を進める。また、名鉄岐阜駅などにあるICカード非対応の自動改札機13台をICカードで利用できるよう改良する。

名鉄は2015年度の設備投資計画と同時に「名鉄グループ中期経営計画~PLAN123~」も発表。2012年度から本年度までの中期経営計画「PLAN120」に代わるもので、計画期間は2015年度から2017年度までの3カ年になる。この計画では、「名駅(名古屋駅)再開発の具体化に向けた事業戦略の推進」を重点テーマとして掲げており、2015年度の設備投資計画では全体計画の作成や関連する計画の検討を盛り込んでいる。

《草町義和》

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