【マツダ CX-3 試乗】欧州のプレミアムブランドと張り合えるだけの存在感…藤島知子

試乗記 国産車
マツダ CX-3 XD Touring L Package
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コンパクトSUVの市場に万を持して登場したマツダ『CX-3』だが、このモデルは単なる『デミオ』のSUV版では無かった。

日本で売られているコンパクトSUVは各社ガソリンエンジンが殆どだが、CX-3は敢えてディーゼルエンジンのみを設定し、他車との差別化を図っている。マツダのラインナップでアクティブに乗りこなせるモデルといえば、ハッチバックスタイルのアクセラ、SUVは上のクラスに『CX-5』も存在し、CX-3はそれらの中核にあたるプレミアムなコンパクトSUVという位置づけにある。その美しいプロポーションはもはや魂動デザインが完成の域に達したもので、国産モデルながら、欧州のプレミアムブランドと張り合えるだけの存在感を放っていることに驚かされる。

インテリアを見ると、中間グレードのXD Touringのシートは合皮×ファブリック、最上級のXD Touring L Packageはホワイトのレザー×スエードのコンビネーションとなり、クッション厚がしっかりとられたシート構造は、走行中の上下動を巧い具合に吸収してくれる。コンビニの段差を乗り越える時など、時折突き上げを感じるが、ほぼ90%のシーンでは心地良くドライブが楽しめる印象だ。コンパクトSUVの後席に快適性を求める人には是非注目してみて欲しい一台だ。

ダッシュボード周りはシボ付きの樹脂パネルからドアハンドル、エアコンの吹出口を縁取る丸形リングなど、色調も素材の組み合わせもよく吟味されて洗練された仕上がり。毎日向き合うたびに満足感が得られそうだ。

ディーゼルエンジンは走行中の静粛性が高く、特にi-ELOOPとセットでオプション設定されている「ナチュラル・サウンド・スムーザー」付きの仕様は、低回転でゴロゴロというディーゼル特有のノック音と振動が抑えられていて、ディーゼル車を走らせていることを忘れさせてしまう。街乗りの発進加速やダラダラとした坂道を登ることが多い人などにはこのオプションを設定するメリットが得られそうだ。

一方で、MT仕様にはナチュラル・サウンド・スムーザーの設定がないが、エンジン回転を引っ張りながらシフトアップするリズムで走らせていくと、ディーゼルエンジンが発する振動はむしろエンジンの鼓動としてドライバーを楽しませてくれるから不思議なものだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに挑戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参加している。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験をもつ。現在はクルマの楽しさを多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、WEB媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線の両方向から、カーライフ全般をサポートしている。COTYの選考基準は、クルマと共に過ごす日常において、気持ちを豊かにしてくれるクルマかどうかに焦点を当てる。

《藤島知子》

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