【スズキ アルト ターボRS 発表】MTの設定がない理由とは

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スズキ アルト ターボ RS
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  • スズキの第一カーライン製品企画係長の伊藤二三男氏
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スズキは軽自動車『アルト』の派生モデルとなるスポーツグレード『アルト ターボRS』を2015年3月11日より発売した。

最高出力47kW(64ps)/最大トルク98Nmのターボエンジンに専用チューニングのサスペンションやブレーキ、専用フロントシートなどを採用するスポーティなモデルだ。しかし、トランスミッションにMTの設定はなく、すべてがロボタイズドMTであるAGS(オートギヤシフト)となった。

なぜ、スポーツグレードにも関わらずMTを設定しなかったのか? その疑問をアルト・シリーズの製品企画を担当するスズキの第一カーライン製品企画係長の伊藤二三男氏にたずねてみた。

「最初からアルトにRSグレードを設定しようとは考えていませんでした。ただ、軽い車体にターボエンジン、それにAGSを組み合わせれば面白いクルマができそうだということから企画がスタートしました」と伊藤氏。

つまりアルト ターボRSは、AGSありきで企画がスタートしたというのだ。

また、アルトのスポーティ・バージョンといえば、1980~2000年代初頭にかけて人気を集めた「アルトワークス」が思い起こされる。過激なまでに元気な走りが若いユーザーに大いに受けたモデルだ。しかし、今回の「アルト ターボRS」は、パワフルなエンジンを搭載しつつも、装備の充実度や内装の上質さなども備わっており、速いだけではない上級志向も垣間見える。

「新しいアルトはレトロなイメージもあって、若い人だけでなく中高年の方にも楽しんでもらえているクルマだと考えています。ですから、ターボRSも、あまりとがりすぎずに、幅広い人に乗ってもらいたいんです」と伊藤氏。これもMTではなくAGSを選んだ理由のひとつだという。さらに、AGSであればAT限定免許の多い若い人にも受け入れやすいという考えもあるという。

とはいえ、ロボタイズドMTには欠点もある。加速中にシフトアップするときに駆動力が抜ける瞬間がある。そのときにアクセルを踏み続けているとドライバーは失速感や減速感を感じてしまうのだ。ベースとなったMTミッションは人の手で作動させる前提で作られているため、変速にかかる時間を短縮するのにも限界がある。DCTやステップATほど早く変速ができないのだ。気持ちの良い走りを標榜するスポーティ・モデルとしては、かなり大きな問題だ。

「もちろん、私たちの間でも、本当に大丈夫なのか? という不安はありました。ところができあがったAGSは大変よく作り込んでくれたようで、試してみたところ、これならいける! となりました」

「AGSは、乗ってみれば分かると思いますが、ほぼMTです。最近のスポーツカーはパドルシフトが多くなっていますから、AGSでも変わらないだろうというわけです。また、AGSはコスト面でも有利ですし、AT限定の免許でもOK。まさにいいとこどりというわけです」と伊藤氏。

AGSの出来の良さがあったからこそ、ターボRSの企画が成り立った。そして、MT設定がないのは、AGSへの期待と自信のあらわれと言えそうだ。
《鈴木ケンイチ》

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