『北斗星』四半世紀の定期運行に幕…4月から臨時列車に

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多くのファンに出迎えられて札幌駅4番線ホームに入線する上野行き上り『北斗星』。
  • 多くのファンに出迎えられて札幌駅4番線ホームに入線する上野行き上り『北斗星』。
  • DD51形の重連は3月12日発の最終『トワイライトエクスプレス』と変わらないが、それでも人気の的に。
  • 名残惜しそうに旅立ちを見つめるファンたち。
  • 上野行き『北斗星』が表示された札幌駅の発車案内標。臨時列車化後は1時間繰り上がり16時12分発となる。
  • 「寝台特急 北斗星」の文字が表示された上野駅の発車案内標。大勢の人がカメラを向けていた。
  • JR北海道の女性職員に見守られながら札幌を後にした上野行き定期最終『北斗星』。

1988年の運行開始以来、四半世紀の間、上野(東京都台東区)~札幌(札幌市北区)間の約1200kmを結んできた寝台特急『北斗星』の定期最終列車が3月13日、上野・札幌の両駅を後にした。

『北斗星』は、青函トンネルを含む津軽海峡線が開業した1988年3月13日のダイヤ改正に伴い運行を開始。季節列車として運行されていた1往復を除き、1人用A寝台個室「ロイヤル」、2人用A寝台個室「ツインDX」、1人用B寝台個室「ソロ」といった個室や、豪華なフランス料理のディナーを楽しめる食堂車「グランシャリオ」、フリースペースの「ロビーカー」を連結。青函トンネル開通ブームとあいまって、当時、大いに話題を呼んだ。

運行開始当初の『北斗星』は3往復が設定されていたが、1999年7月にA寝台個室だけの豪華寝台特急『カシオペア』が運行を開始してから定期列車は2往復となった。さらに2008年3月改正では1往復に。そして今回、北海道新幹線の部分開業(2015年度末)に向けた試験の実施や車両の老朽化などに伴い、3月13日発の列車を最後に定期運行を終了することになった。

定期運行最終日の上野行き上り『北斗星』は、定刻17時12分より少し遅れて札幌駅を発車。前日の12日発で運行を終了した大阪~札幌間の臨時寝台特急『トワイライトエクスプレス』の上り札幌発と同様、セレモニーは行われなかった。

札幌行きの下り『北斗星』は18時44分頃、上野駅13番線ホームに入線。反対側の14番線ホームには直後に宇都宮線の電車が入線して『北斗星』の姿は見えなくなったものの、最後の出発を少しでも見送ろうとする人々であふれた。19時03分、『北斗星』は長い汽笛を鳴り響かせて上野駅をゆっくりと発車。「ありがとー!」などの歓声が沸き起こるなか、「最後のブルートレイン」はラストランへと出発した。

札幌・上野両駅発車時点の編成は、先頭から以下の通りだった。

■上り(札幌発)
(-)DD51 1137(機関車)
(-)DD51 1100(機関車)
(1)オハネフ25 15 B寝台
(2)オハネフ24 502 B寝台
(3)オハネ25 561 B寝台個室「デュエット」
(4)オハネ25 566 B寝台個室「デュエット」
(5)オハネ25 552 B寝台個室「ソロ」
(6)スハネ25 501 B寝台個室「ソロ」・ロビー室
(7)スシ24 507 食堂車「グランシャリオ」
(8)オロネ25 506 A寝台個室「ツインDX」
(9)オロハネ25 503 A寝台個室「ロイヤル」・B寝台個室「ソロ」
(10)オロハネ24 553 A寝台個室「ロイヤル」・B寝台個室「デュエット」
(11)オハネフ25 215 B寝台
(-)カニ24 506(電源車)

■下り(上野発)
(-)EF510-512(機関車)
(-)カニ24 505(電源車)
(11)オハネフ25 14
(10)オロハネ24 552
(9)オロハネ25 552
(8)オロネ25 504
(7)スシ24 504
(6)スハネ25 502
(5)オハネ25 551
(4)オハネ25 565
(3)オハネ25 563
(2)オハネフ24 501
(1)オハネフ25 8

今後は臨時列車として上野発が4月2日から8月21日まで、札幌発が4月3日から8月22日まで運行される予定。運行時刻は『カシオペア』とほぼ同じで、『北斗星』と『カシオペア』が交互に運行される格好となる。終着駅の到着時刻は定期列車のものと変わらないが、津軽海峡線内における北海道新幹線の試運転に伴い、始発駅の発車時刻は上野発が2時間43分、札幌発が1時間繰り上がり、上野~札幌間の所要時間は定期列車より伸びることになる。

《佐藤正樹・小佐野カゲトシ》

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