フォルクワーゲン(VW)のマルティン・ヴィンターコルン最高経営責任者(CEO)は3月12日にドイツのベルリンで開いた年次記者会見で、電気自動車(EV)を始めとする電動化車両について「40の新しいモデルを速やかに立ち上げることが可能」と述べた。
ヴィンターコルンCEOは「電動化車両の普及ペースはゆっくりではあるが、我々の戦略が短期的な傾向や原油相場によって左右されるものではない。我々は電動化車両に対してしっかりとコミットメントしていく」と強調する。
VWグループはすでに、ピュアEVのVW『e-up!』および『e-ゴルフ』、プラグインハイブリッドのアウディ『A3 e-トロン』、VW『ゴルフ GTE』、ポルシェ『パナメーラ S-Eハイブリッド』のほか、超低燃費車のVW『XL1』、ハイブリッドスーパーカーのポルシェ『911 スパイダー』を世に送り出している。
さらに「これらのモデルの投入で我々はドイツの電動化車両市場でポールポジションを獲得した。でも、これはただの始まりにすぎない。今後アウディでは『Q7』、『A7』、『A8』の電動化車両を投入する。VWの『トゥーラン』や『フェートン』も同様」と述べた。
また「電動化車両が我々のグループを次のレベルに引き上げてくれる。今年発売するアウディ『R8 e-トロン』は航続距離が450km。さらに我々は航続距離が500kmを超えるEVを現在開発している」ことも明らかにした。
その上で「重要なことは、すでに我々は実行可能な電動化車両のビジネスモデルを持っていることだ。そして、それがあることによって我々は40の新しいモデルを速やかに立ち上げることが可能になっている。しかもこうした電動化車両は専用工場ではなく、既存の内燃機関モデルと同じラインで生産され、コストを低く抑えることもできている。このように我々のグループはモデルレンジ、生産方式においても競合他社ができないような柔軟性を持っている」と強調した。
VWの年次会見の模様はweb中継を通じて、都内で日本の報道陣向けに公開された。