【スズキ アルト ターボ RS 新型発表】“MT設定なし”の軽スポーツ、「5AGS」の実力は?

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スズキ アルト ターボ RS
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3月11日にスズキが発表した新型『アルト』の追加モデル、『アルト ターボ RS』。全幅1400mm時代(現行比-80mm)の軽自動車を髣髴とさせる670kgという軽量車体に、64ps/98Nm(10.0kgm)の強力なターボエンジンの組み合わせというだけで、軽スポーツらしい走りに対する期待が大いに膨らむところだ。

ところでこのアルト ターボ RS、面白いことに手動変速機の設定がなく、自動クラッチ式の5速ロボタイズドMT「5AGS」のみとなっている。スポーツハッチなのにスロットル、ブレーキ、クラッチの3ペダル式MTがないことに疑問を持つ向きも多いことだろう。

もちろんユーザーから「純MTに乗りたい」という要望が多数上がり、かつアルト ターボ RSのセールスがスズキの望むレベルに達すれば、MTが追加される可能性もあるだろうが、5AGS+ターボという取り合わせは“かっ飛び派”のカスタマーをも相当満足させることができるのではなかろうかと予想する。

アルトのノーマルモデルの5AGS仕様をドライブしたときのことだ。自動変速モードでは加速の息継ぎが顕著に現れるのが気になった。が、MTモードでシフトレバーの「+/-」を操作して変速してみたところ、DCTやトルクコンバーター式ATには及ばないものの、クラッチ切断の時間はごく短く、また動作自体もスムーズで、印象は激変。変速操作に対するレスポンスも良好で、パドルシフトがあれば常時MTモードで走ってもいいかなと思うくらいであった。

そのパドルシフトが装備されたアルト ターボ RSは、区分としてはATだが、性格的にはクラッチレスMTとして乗るのも面白かろう。最近はCVT(無段変速機)にも7速、8速と変速ステップを擬似的に作り出すモードを備えているものがあるが、ダイレクト感は依然として本物の有段変速機には及ばない。

また、CVTのマニュアルモードはトップギアに入っても変速機本来のハイギアより低いレシオになってしまうものがほとんどで、大して魅力的に感じられない。5AGSは変速ステップは5段と少ないが、ギア比が固定であるため、パフォーマンスがドライバーのイメージとぴったり一致するという点でも、独特の魅力がある。

ディーラーで試乗をするさいには、ぜひMTモードも積極的に試してみることをお薦めする。また、アルト ターボ RSのドライブフィールについても、テストドライブを行い次第お届けしたい。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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