【アルピナ D3ビターボ 試乗】ディーゼルのスポーツ性を極限まで高めた…諸星陽一

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アルピナ D3ビターボリムジン
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BMWをベースとしたハイパフォーマンスモデルを製造するアルピナ。今回試乗することになったのは、『3シリーズセダン』をベースとして3リットル6気筒ディーゼル/ツインターボを搭載する『D3ビターボリムジン』。

3リットルのディーゼルターボエンジンは300馬力という最高出力もさることながら、1500回転で最大トルクの700Nmを発生してしまうというフレキシビリティにあふれたエンジン特性がD3に類い希なる走りのフィーリングを与えている。現在、クルマの世界ではハイブリッド車が増え、モーターアシストによる低速からの力強い加速が定番のフィーリングとなってきているが、このD3はそのモーター加速のフィーリングを凌駕する強力な発進加速性能を示す。

試乗時、雨が強く降っていて、路面も完全なウエットだったので、フル加速というワケにはいかなかったが、それでもアクセルを踏み込んだ瞬間からグイグイと前に押し出される加速を味わうことができた。ガソリンエンジンのような回転が上がるにしたがって加速力が強くなるというタイプではなく、クルマが少し動き出した瞬間から力感あふれる加速となる。ディーゼルエンジンのポジティブな部分をこれでもかというほどに高めている感じを受ける。

ディーゼルのポジティブ部分といえば、忘れられないのが燃費。D3ビターボリムジンのJC08モード燃費は17.0km/リットル。燃料タンク容量が60リットルなのでカタログ上の航続距離は1020km。東名高速・東京インターチェンジから下関まで行ってもまだ燃料があまるレベルの航続距離だ。

では、ディーゼルのネガティブ部分はどうかというと、振動や騒音が気になることはない。排ガスのクリーンさも申し分がない。つまりネガティブ部分を無くすという作業についてもキチンとおこわなわれているということだ。

車両本体価格は999万円とちょっとお高めだが、ディーゼルエンジンを搭載したスポーツセダンというまれな存在であり、同ジャンルのクルマがハイオクガソリン仕様で、ガソリンを入れるたびに大きなストレスを感じることを思えば、受け入れることができるレベルと言えるパターンもあるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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