あくまでも発売未定のプロトタイプでありながら、ハーレーダビッドソンは試乗機会を用意してくれた。いったい、どんな乗り味で、どんな音がするのか、世界中のバイクファンが熱い視線を集める電動ハーレーだ。まず感激したのは、その加速力。電動モーターならではの一定でリニアなパワーフィールは、じつに力強く、グイグイ速度を上げていく。カラーディスプレイにデジタル表示されたスピードメーターに目をやると、あっという間に120km/hに達しているではないか。このダッシュ力、しっかりニーグリップし身構えていないと、身体が後方へ仰け反るほどに強烈だ。電動でありながら、サウンドにもこだわったというから、いかにもハーレーダビッドソンらしい。当然、電気モーターからは、Vツインエンジンのような鼓動感や重低音の効いた心地良い排気音などはあり得ない。そこで開発陣が突き詰めたのが、電気モーターとギヤの組み合わせによる共鳴から得たジェットエンジンのようなサウンド。たしかに速度を上げるにつれ甲高い音がし、エキサイティングな気分になる。しかし、まだ航続距離はまだまだ。スタート時にライダーは画面上で「POWER RIDE」(フルパワー)か「RANGE RIDE」(スタンダード)のいずれかが選べるが、現段階ではバッテリーが99%残っていたとしても、「POWER RIDE」で29分程度、「RANGE RIDE」でも59分ほどしか走れない。こればかりはリチウムイオンバッテリーの性能に委ねるところが大きい。市販化されるのなら、もう少し航続可能距離が必要だ。ただし、この力強い走り、そしてフロント18、リア17インチの足まわりによる軽快なハンドリングは走っていて純粋に面白い。今後の「Project LIVEWIRE」に期待せずにはいられない。■5つ星評価パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★快適度:★★★★航続距離:★期待度:★★★★★青木タカオ|モーターサイクルジャーナリストバイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在、多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。
新型ハーレー『ブレイクアウト』&『ローライダー ST』に、SNSでは「更にカッコ良くなってきた」「奥さんの説得頑張るか」など反響 2025年7月10日 ハーレーダビッドソンジャパンは7月3日、2025年モデルに加わる…
幻の「黒いカタナ」がサプライズ公開! 市販化の可能性は…? スズキ「カタナミーティング2025」次期モデルの展望も 2025年9月7日 「カタナミーティング2025(KATANA Meeting 2025)」に市販化さ…