【フォード マスタング 試乗】これまでになかったコーナーリングマシンに変身…松田秀士

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フォード マスタング 50イヤーズエディション
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欧州よりも一足先に日本に導入された最新鋭『マスタング』は「50イヤーズエディション」という名称で販売されている。このフルモデルチェンジされたマスタング、米国では昨年からセールスされている。

実は、昨年米国でV8モデルと2.3リットル直4ターボモデルに試乗し、帰国後この50イヤーズエディションに試乗した。50イヤーズエディションは2.3リットル直列4気筒直噴ターボモデルなのだ。さらにいうとスポーツパッケージが組み込まれてもいる。

米国で試乗したときもこの2.3リットル直4ターボにはスポーツパッケージが組み込まれていた。そのサスペンションはとてもハードで、マスタングがここまでレーシーに仕上がるものなのか! と驚きを隠せなかった。5.0リットルV8モデルはノーマルサスペンションだったのでその差は歴然としていたのだ。

50イヤーズエディションに話を戻そう。締まったハードなサスペンションゆえにステアリングを切り始めから応答性が高く、ノーズは瞬時に向きを変える。直列4気筒エンジンはかなり車体中心寄りにマウントされているから、サスペンションだけでなくエンジンそのものの軽さと搭載位置もこのシャープな応答性に寄与しているのだろう。フルにロールしてもそれほど深くない。これまでのマスタングにはなかったコーナーリングマシンに変身している。

マスタングの新しいプラットフォームのハイライトはリヤサスペンションがマルチリンクになったこと。つまり、これまで左右が繋がったリジット式のサスペンションだったものが、独立してしかもダブルウイッシュボーン式の進化系であるマルチリンク式になったことだ。これによって、コーナーリング中の路面の凹凸への追従性も高くなり、なによりコーナー脱出時のトラクション性能が向上している。

2.3リットル直4直噴ターボエンジンが奏でるサウンドはちょっとアメリカンな乾いた音質。ターボであることを感じさせないほど中低速域からレスポンスが良く、ピックアップが鋭い。トランスミッションは6速ATだが、ATとは思えないくらいにシフトが速い。ステアリングのパドルを引いてマニュアルシフトチェンジもとても素早く、ワインディングではドライビングにリズムが起きかなり楽しめる。

ボディー剛性も非常に高くなり、路面のギャップを通過した時の振動感も小さくサスペンションはハードでも乗り心地は悪くない。

ここまでマスタングが変わってしまうことに多少戸惑いはあるが、今年の終わりにはV8モデルも導入される予定で、こちらはパワフルだがもう少しマイルドな味付けだ。

ただし、この50イヤーズエディションは左ハンドルで日本に導入される左ハンドルマスタングはこれが最後になるだろう。販売台数は350台限定だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア・居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践しスーパーGT最年長55歳の現役レーサー。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

《松田秀士》

松田秀士

成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践する。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

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