【ダイハツ ムーヴカスタム 試乗】もはや軽自動車ではない仕上がりのよさ…諸星陽一

試乗記 国産車
【ダイハツ ムーヴカスタム 試乗】もはや軽自動車ではない仕上がりのよさ…諸星陽一
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6代目となるダイハツ『ムーヴ』が登場。スポーティなカスタムに追加された新グレード、ハイパーの最上級グレード、「RSハイパーSA」に試乗した。

乗り込む前にクルマに近づくとビックリするほどの存在感が伝わってくる。軽自動車規格のサイズを守りながらも、グッと張り出した力強いフェンダーなど抑揚のあるデザインを採用。黄色いナンバープレートがなければ軽自動車であることがわからないほどだ。

乗り込んでから目に映る風景もまた高級感にあふれている。透明感のあるメーターまわり、立体感のあるステアリングまわりなど、どこをみても立派。やはり軽自動車という雰囲気はない。

走りの味付けもじつに高いレベルにある。搭載されるエンジンは64馬力のターボ。CVTとの相性もよく、発進時から力強いトルクを発生する。いかにも軽自動車っぽい軽率な発進ではなく、ググッと力強さをもった発進。中間加速も同様で安っぽさがないのが魅力だ。

エンジンはもとより、シャシーまわりの造り込みも秀逸。ボディ骨格から挑んだ軽量化、サスペションの最適化などををはじめとしてあらゆる手で改良が施されている。先代でも十分過ぎるほどの快適性を持っていたシャシーだが、現行はそれを上まわる性能を発揮している。なによりもいいと感じるのは、軽自動車らしからぬフラットな乗り心地だ。

アイドリングストップ機構は、クルマが停止する前から行われる。自然吸気エンジンは11km/hからエンジンが止まるが、ターボは9km/hからとのこと。まあ乗っている限りは、この2km/hの違いはほとんど感じない。赤信号に向かって減速していくと、停止前にエンジンがストップするが違和感はさほどなく、自然なフィーリングでアイドリンスストップに入る。

クルマ全体としてのまとまり感はかなり高いレベル。動力性能、ハンドリング、乗り心地、燃費、環境とあらゆる部分が高いレベルで融合している。が、価格は137万1600円とリッターカーなみ。これだけの装備、これだけの価格でありながら、軽自動車ということで税金を初めてとしてさまざまな優遇を受ける。うれしいことではあるが、こうしたことが続くと、やがて恩恵は消えていってしまうかもしれない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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