京都丹後鉄道が掲げる「高次元交通ネットワーク」…新たな地方鉄道のモデルとなるか

鉄道 企業動向

4月から「京都丹後鉄道」として現在の北近畿タンゴ鉄道(KTR)の運行を担う予定のWILLER TRAINS(ウィラー・トレインズ)。同社は単に運行を引き継ぐだけでなく、鉄道を基軸とした交通ネットワークの構築とまちづくりの連携で、地域の価値向上を目指すという構想を掲げる。

1月29日に開かれた会見で、ウィラー・トレインズの村瀬茂高社長は「丹鉄」の走る北近畿エリアを「高次元交通ネットワーク」の実現により、地域の環境構造を変化させ「若い人が移り住みたくなる地域にする」ことを目指すと述べ、会見での説明の大半をこれらの内容に割いた。

「高次元交通ネットワーク」について同社は、駅とバス停などが同じ場所にあり乗り換えができるだけでなく「ストレスなく連続性があり、複数の交通モード、さまざまな事業者のサービスが一つのサービスとして提供されている姿になること」としている。

2014年から週のうち数日は丹後地方で暮らしているという村瀬社長は、現在の各交通事業者はそれぞれ努力してサービスを提供しているとした上で「乗り換えなどの面でストレスのない移動手段にはなりきれていない」と指摘。特に乗り換えのストレスが大きいとして、さまざまな事業者によるサービスを料金面なども含めシームレスに利用できる姿をめざし「地域の交通事業者と考えていきたい」と述べた。

交通ネットワークの整備に関しては「主要駅からの移動をものすごく便利にすること」を最初の優先課題とし、主要駅周辺の交通網整備によるコンパクトシティ化の推進を目指すとした。また、公共交通の空白地帯を埋める小型モビリティなどの新たな交通の整備についても意欲を示し「『できない』ではなくどうするかを考えていきたい」と意気込みを語った。

一方、グループの高速バスとの連携に関する報道陣からの質問に対しては「域外からの交通は大量輸送と定時性という軸をつくるのが先。JR西日本との連携をしっかりやっていくことが外からの流入の基軸になる」と述べ、まずは鉄道との連携を重視する考えを示した。

「丹鉄」の開業は4月1日の予定。会見では、ウィラーのバスなどに使用されているピンク色が車両に使用されるかという質問に対して村瀬社長が「今すぐには予定はしていない」としつつ「4月1日(開業の日)を楽しみにしていてください」との発言もあり、どのような姿で新たなスタートを切るかも注目される。

高速バス事業で次々とユニークな施策を実施し、急成長を遂げたウィラーグループが運行する「丹鉄」が新しい地方鉄道の姿をつくっていくか。4月以降の取り組みは沿線や交通関係者らの関心を集めるだろう。
《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

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