富山市と富山地方鉄道(富山地鉄)は2月2日、路面電車南北接続事業の第1期区間として、富山地鉄富山軌道線(市内電車)の富山駅乗入れ区間を3月14日に開業すると発表した。北陸新幹線の金沢延伸と同日の開業になる。
富山市の路面電車南北接続事業は、富山駅の南側に伸びる富山地鉄市内電車と、北側に伸びる富山ライトレール富山港線を接続するもの。北陸新幹線と在来線の高架下をくぐって両線をつなぐ軌道を敷設し、北陸新幹線高架橋の下に富山駅停留場を設ける。
事業は第1期区間と第2期区間に分けられており、今回は富山駅停留場を含む南側の第1期区間約160mが開業。富山地鉄の市内電車が新幹線高架下の富山駅停留場に乗り入れる。富山ライトレールが乗り入れる北側の第2期区間は、北陸本線(3月14日以降はあいの風とやま鉄道)と高山本線の高架化が完成した後に整備される。
富山駅停留場は3面2線ホームを設置。東側ホームの1番ホームは南富山方面乗車ホームとなり、中央ホームは2番ホームが降車専用、3番ホームが大学前方面・環状線乗車ホームに。西側ホームの4番ホームは降車専用ホームとなる。同停留所の初発は南富山方面が6時16分、大学前方面が5時54分、環状線が6時23分。終発は南富山方面が23時39分、大学前方面が23時04分、環状線が22時26分になる。
1日あたりの運行本数は、南富山~富山駅間が現在より10本多い372本、富山駅~大学前間が14本多い232本。一方、第3系統(環状線)は現在より14本少ない60本になる。また、南富山から大学前行きのうち1本は、富山駅停留場に入らないルートを走る。所要時間は南富山~富山駅間が約20分、富山駅~大学前間が約15分、環状線が約28分。
今回の第1期区間開業に伴い、現在の富山駅前停留場は「電鉄富山駅・エスタ前」に改称。かつては射水線(1980年廃止)の乗換地点だった新富山停留場も、近接する富山トヨペット本社にあわせ「富山トヨペット本社前(五福末広町)」に改称される。また、3両連接低床車両「サントラム」を1編成増備する。
今後は2月5日から3月12日まで、第1期区間の開業に向けた訓練運転(習熟運転)を実施。3月13日の15時30分から開業式典を執り行い、3月14日の開業を迎える予定だ。