中国の鉄道車両メーカー、中国南車と中国北車は12月30日、合併することを発表した。両社は高速鉄道車両をはじめあらゆる鉄道車両の製造を手がける中国の二大メーカーで、合併により欧米大手を圧倒する世界最大規模のメーカーが誕生することになる。
発表によると、合併は南車が北車を吸収する形で行われる。合併後の新社名は「中国中車股ふん(にんべんに分)有限公司」となる予定という。
ドイツの交通コンサルティング企業、SCI Verkehrが2014年5月に発表したレポートによると、2012年度の世界の鉄道メーカーの車両製造売上高では中国北車がトップで、南車は2位。鉄道メーカーの世界ビッグ3と呼ばれるカナダのボンバルディア、フランスのアルストム、ドイツのシーメンスはそれぞれ3位、4位、7位で、中国の2社はすでに欧米大手を上回っている。
両社の前身は中国鉄路機車車両工業。2000年に南車と北車に分割されており、今回の合併で再統合されることになる。両社ともグループ企業を含め、高速鉄道車両から地下鉄や路面電車に至るまで、幅広い種類の鉄道車両を製造している。
中国の高速鉄道で使われている高速車両のうち、日本のE2系新幹線をベースとしたCRH2形や、その発展型のCRH380A形は南車グループの青島四方機車車輛が製造。シーメンスが製造したドイツの高速車両ICE3をベースとしたCRH3形は、北車グループの唐山軌道客車が製造している。このほか、南車グループの青島四方機車車輛とボンバルディアの合弁会社がCRH1形やCRH380D形、北車グループの長春軌道客車がCRH5形を製造している。