フリーゲージ3次試験車、走行試験を一時休止

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鉄道・運輸機構のフリーゲージトレイン第3次試験車両。九州新幹線などで「3モード耐久走行試験」を行ってきたが、このほど一部の部品に異常が確認されたことから走行試験を一時休止することになった。
  • 鉄道・運輸機構のフリーゲージトレイン第3次試験車両。九州新幹線などで「3モード耐久走行試験」を行ってきたが、このほど一部の部品に異常が確認されたことから走行試験を一時休止することになった。
  • フリーゲージトレインは台車の車輪幅を変えることで新幹線と在来線の直通運転を可能にする。写真は鉄道・運輸機構第3次試験車の台車。
  • 軌間可変輪軸の構造。スラスト軸受のオイルシートの部分的な欠損のほか、すべり軸受と車軸の接触部に微細な摩耗痕の発生が確認された。

鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)とJR九州はこのほど、両者が九州新幹線などで実施している軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の耐久走行試験を一時休止すると発表した。

フリーゲージトレインは車輪の幅を変化させることによって、2本のレール幅(軌間)が異なる鉄道線路を直通できる車両。日本では新幹線(1435mm軌間)と在来線(1067mm軌間)の直通列車用として研究が進められている。

鉄道・運輸機構とJR九州によると、今年4月20日から第3次試験車両による走行試験を開始。10月19日からは新幹線・軌間変換・在来線を繰り返し走行する「3モード耐久走行試験」を行ってきた。

しかし、約400回の軌間変換と約3万kmの走行を実施した時点で一部の台車を調べたところ、車輪を円滑に移動させるためのオイルシールが部分的に欠けていた。これを受けて両者は部品点検のための詳細な調査を実施するため、走行試験を見合わせることにした。

調査は1カ月程度かかる見込み。調査結果や走行試験の再開時期などは改めて発表するとしている。

《草町義和》

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