気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2014年12月18日付
●米、キューバ国交交渉へ、断交53年政策転換(読売・1面)
●リニア新幹線着工、大量残土,難工事が課題(読売・8面)
●ガソリン価格152円台に下落(毎日・7面)
●訪日客年間1300万人確実、活発消費日本経済押し上げ(産経・10面)
●全トヨタ労連、ベア6000円統一要求を確認(産経・11面)
●社説、欠陥エアバッグ、タカタ任せは限界だ(東京・5面)
●タカタCEO、「車メーカーに全面協力」調査リコール欠陥認定応じられず(日経・1面)
●税制改正、議論ヤマ場、住宅・車の税軽減焦点(日経・3面)
●三菱ふそう社長リストセラ氏に(日経・15面)
ひとくちコメント
公の場にまったく姿を見せなかった創業家のタカタの高田重久会長兼最高経営責任者(CEO)が初めてメディアのインタビューに応じたという。と言っても記者会見を開いたわけではない。一連のリコール問題でのホンダの伊東孝紳社長同様に日経の単独取材である。
きょうの日経が1面準トップで、「欠陥エアバッグ問題で自動車メーカーが実施する調査リコール(回収・無償修理) について『全面的に協力する』と改めて表明した」と報じている。インタビューの詳細は電子版にも掲載されているが、興味深いのは、米国で批判されたことについては「私たちの思いが(世論に)うまく伝わらなかった」と答えたそうだ。
その発言を引き出して特報した日経には「あっぱれ」と褒めてあげたいが、この場に及んでも、これだけの大問題になっていながら、記者会見も行わずに「こちらの意図がうまく伝わらなかった」と、弁解めいたことを、しかもメディア1社だけ絞ってに語ったとは、あきれかえる。
しかも、日経の記事では、米当局が求めている一部エアバッグの欠陥認定と全米リコール実施については「現時点では応じられない」との姿勢を崩さなかったとも伝えている。
さらに、記事の最後には「今後も経営トップとして陣頭指揮をとることを明らかにした」と結んでいる。この単独インタビューの記事を読んで、改めて「自分のクルマのエアバッグやシートベルトは大丈夫か」と、不安がよぎった読者も少なくないだろう。
きょうの東京の社説には「トップ自らが消費者に直接、向き合ってこそ、危機の出口が見えよう」と指摘している。付け加える言葉はなく、そのとおりだろう。