MINI『ペースマン』にディーゼルエンジンが搭載された。これがなかなかのマッチングを示してくれた。
MINIにはさまざまなバリエーションが用意されているが、ペースマンは2代目MINIのなかでもっともベーシックなモデルだと感じさせてくれる。新たに搭載されたディーゼルエンジンは、112馬力の2リットルユニット。ディーゼルらしい低速トルクを誇るが、クーパーSDに載せられた192馬力タイプのような筋肉モリモリなセッティングではなく、使いやすさを重視したものだ。
このエンジン、じつは上手に走るとけっこう速く走れてしまう。192馬力タイプのようにクルマが速く走ってしまうのではく、ある程度上手に走らせるテクが必要。上手にトルクに乗せながら走ること。1500~2500回転のトルクバンドを維持して走ることで気持ちよく、また速く走れるのだ。
足まわりのセッティングも固すぎず、ドライブを楽しむレベルのもの。攻めていくと、もっと固いほうが楽しいかも知れないという気持ちが生まれるが、いろいろなシチュエーションで折り合いがつけられるという面ではこのセッティングがいい。ベーシックのよさを感じられるクルマがクーパーD ペースマンだ。
今回の試乗車の標準状態での価格は341万円だが、試乗車は128万4000円のオプションが装着されていた。高額なのは18インチのタイヤ&ホイールや電動ガラスサンルーフ。これらを外した状態での試乗をしてみたいもの。たぶん、さらにいい印象を受けると思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。