ヤマハ発動機が2013年にリリースし、2014年9月にはAndroidoにも対応したスマートフォン向け無料アプリ『SmartRiding』(スマートライディング)。ライダーの走りを分析し、評価するだけでなく、動画も同時に記録できる同アプリ。開発の目的などをヤマハ発動機安全普及グループ主務の野村靖氏に伺った。
「昔は“速いのがカッコイイ”という考え方が蔓延していたが、現在はそうではない。バイクは乗るだけで楽しいもの。楽しさをどう表現しようか悩んだとき、ヤマハのテストライダー教育用に開発した、バイクのすべての動きを判定できるソフトをスマートフォン向けにリファインし、一般ライダーにも提供しようと考えた」と開発に至った経緯を話す。
スマートライディングは、コーナーでどれだけスムーズに曲がることができたかを判定する。具体的には、「スマートフォンのジャイロセンサーとGPSを使い、コーナリング中にハンドル修正を加えるなど、ギクシャクすると点数はマイナス。積極的な操作で、コーナーを速く抜けるのではなく、セルフステア(バイクを傾けたときに、バイク自らがハンドルを切る作用)を引き出せていて、かつ無駄なく曲がれているかを判定」する。
このアプリは、スマートフォン内の地図機能と連携してルートを記録できるのもポイント。ルート上(青いラインで表示)で点数が低いコーナーはレッドのマーカー表示になり、動画とともに自分の走り方も振り返ることができる。
「自分のライディングを振り返るだけではなく、友人にルートを紹介したり、いい景色が映っていた場合はそこを切り取り、Facebookなどに投稿可能で、コミュニケーションのネタになる。スマートライディングは、安全走行のポイントが分かり、その先の楽しみも提供するアプリ」だと野村氏は語った。