【VW e-up!試乗】up!は電気自動車として生まれてくるべきだった…諸星陽一

試乗記 輸入車
VW e-up!
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フォルクスワーゲンのラインアップのなかでもっともコンパクトな『up!』に、電気自動車の『e-up!』が追加。エンジン車を上まわる好感触を感じた。

エンジン車のup!を試乗した際、もっとも違和感を感じたのがミッション。通常のMTを自動制御しているのだが、シフトアップのたびに加速Gが抜けておじぎを強いられてしまう。ところがe-up!にはミッションが採用されていない。正確に言えば、前進と後退が選択できるだけのミッションで変速はしない。なので当然、おじぎをするような動きにはならずじつに快適な加速を楽しめる。

その加速もかなり力強いもの。車重は1トンオーバー、モーター出力は82馬力とエンジン車に置き換えたら1.5リットル程度の重めのコンパクトカーというイメージで、さほど力強い加速は期待できないと思われがちだが、トルク値は210Nmと2リットルなみの数値なのだ。加速感は2リットル車以上、しかもギヤチェンジがまったくないので、スムーズ極まりない加速を味わえる。

バッテリーは230kgの重量を持つが、これを床下に搭載したことで全体としての重心が低くなりハンドリングは落ちついたものとなっている。カタログ値によると満充電時の航続距離は185km、シティコミューターとしてなら十分に通用する。急速充電なら30分で80分、200Vの普通充電だと8時間というから、通勤用としてなら実用性も十分。

レジャーに使うクルマとしては航続距離が圧倒的に足りないので、これ1台ですべてを済ますことは難しいだろう。しかし、通勤用生活用と割り切って使うなら十分にあり。価格は366万9000円と高めの設定だが、補助金が70万円程度交付されそうなので、実質は300万円くらいの価格となりそう。これを通勤専用車とするとなると…かなり贅沢といえば贅沢な話だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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