マレーシア・クランタン州が「小型ギロチン」導入を検討?

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各方面からの批判をかえりみずイスラム刑法のハッド刑施行を目指しているクランタン州政府が窃盗罪に適用する手足の切断のために「ミニ・ギロチン」を導入する予定だと一部で報じられた。

これに対し同州政府は不正確な報道だと反論している。

小型の切断刑具を導入するとの情報は、英字紙「ザ・スター」が16日付けトップで報じたもので、ハッド技術検討委員会が、手足切断の適切な方策検討の中で浮上したという。マレーシア医師会はすでに医療倫理上で切断を医師が行なうことを拒否しており、同紙は同委員会議長であるモハマド・アマル副首相が立ち会い医師の職務が切断後の治療だけで済む利点があると述べたと報じている。

名指しを受けたモハマド・アマル副首相は、「ミニ・ギロチン」導入のアイデアが英字紙記者の側から出されたものであって、自分が出したものではないと反論。記事によって州政府の名誉が傷つけられたと批判している。

イスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が政権を握るクランタン州政府は、来年にも下院議会にハッド刑導入及び施行に向けた法案を議員立法として提出する方針。法案は、イスラム法廷の裁判官の権限拡大や警察官や監獄局などの連邦政府下の公務員が州法に基づいてイスラム刑法に準じた公務を行なえるようにするものになると見られる。

伊藤 祐介

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