箱根登山「アレグラ号」デビュー祝い式典…デザインの岡部さんトークも

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11月1日に運行を開始した箱根登山鉄道の新型車両「アレグラ号」3000形の一番列車。出発式のあとは同車デビューとレーティッシュ鉄道姉妹提携35周年を祝う式典が開かれた
  • 11月1日に運行を開始した箱根登山鉄道の新型車両「アレグラ号」3000形の一番列車。出発式のあとは同車デビューとレーティッシュ鉄道姉妹提携35周年を祝う式典が開かれた
  • 姉妹提携35周年記念としてレーティッシュ鉄道から贈られた「箱根登山電車」の文字が入った電気機関車の模型。レーティッシュ鉄道で実際に走っている車両をモデルとしている
  • 姉妹提携35周年を記念し、箱根登山鉄道からレーティッシュ鉄道に贈られた切り絵とカタカナの駅名板
25年ぶりの新型車両・3000形「アレグラ号」が11月1日から運行を開始した箱根登山鉄道。今年は同社とスイス・レーティッシュ鉄道の姉妹提携35周年にもあたり、「アレグラ号」運行開始を祝う出発式の後には、新型デビューと提携35周年を祝う式典が開かれた。

箱根湯本のホテルで開かれた式典には、小田急箱根グループや地域の行政関係者、スイス側関係者など約130人が参加した。箱根登山鉄道の府川光夫社長は「今年は日本とスイスが国交を樹立して150周年。この記念すべき年に『アレグラ号』のお披露目と姉妹提携35周年を迎えることができた」とあいさつした。

「アレグラ号」については「アレグラはロマンシュ語のあいさつであり、レーティッシュ鉄道にも同じ名前の車両が走っている。レーティッシュ鉄道のご理解を得て、同じ名前を使わせていただいた」との話もあった。

来賓としてレーティッシュ鉄道のハンス・アマッカーCEOもあいさつ。「素晴らしい新型車両の登場におめでとうございますと申し上げたい」と「アレグラ号」のデビューを祝うとともに「両社は1979年に姉妹提携を結んで以来、双方ともに観光地としての発展に寄与してきた」と、これまでの35年を振り返った。

鏡開きなどのセレモニーの後には、「アレグラ号」のデザインを手がけた「岡部憲明アーキテクチャーネットワーク」代表の岡部憲明さんが登壇し、デザインのポイントなどを語った。

司会の女性が「アレグラ号」の「こだわり」について尋ねると、岡部さんは「鉄道のデザインはその路線を利用する方々を鑑みてコンセプトをつくる。乗る方々に箱根の自然をもっと満喫してもらいたい、箱根の自然に心も身体も溶けてしまうような車両にしたいと考えた」と述べた。

前面窓の大きさについては「箱根の地形に合わせて極端に大きくした。天井よりも高く空まで見え、まるで外にいるように感じられる」と説明。床まで届く側面の大型窓については「深い谷が見えるのは『天下の険』箱根でも最も素晴らしい景色の一つ。そのために窓ガラスを床まで広くした」と、デザインに込められた思いを語った。

式典では姉妹提携35周年を祝う記念品の交換も行なわれ、レーティッシュ鉄道は同社で実際に運行されている「箱根登山電車」の文字が入った電気機関車の模型を寄贈。箱根登山鉄道からは、レーティッシュ鉄道のクール駅、ディセンティス駅の駅名をカタカナで記した木製の駅名板と切り絵が贈られた。

箱根登山鉄道は、前身の小田原電気鉄道が箱根湯本~強羅間を建設する際にスイスのレーティッシュ鉄道ベルニナ線(当時はベルニナ鉄道)を模範としたことから、1979年に姉妹提携を結んだ。箱根登山鉄道では1981年登場の1000形に「ベルニナ号」、1989年登場の2000形に「サンモリッツ号」、そして今回登場した3000形は「アレグラ号」と、姉妹提携後に登場した車両は全てスイスにちなんだ愛称を付けている。

レーティッシュ鉄道はスイス東部のグラウビュンデン州に約380kmの路線網を持つ同国最大級の私鉄。同社線と接続するMGB(マッターホルン・ゴッタルド鉄道)に乗り入れてサン・モリッツからマッターホルン山麓のリゾート地、ツェルマットまでを結ぶ観光列車『氷河急行』が有名だ。同社のアルブラ線とベルニナ線は世界遺産にも登録されている。2010年から導入されている新型車両のABe8/12形・ABe4/16形には、箱根登山鉄道の3000形と同じ「アレグラ(Allegra)」の愛称が付いている。
《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

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