BMW『2シリーズ アクティブ ツアラー』は、いかにスポーティさやプレミアム感というBMWが本来持っているイメージをデザインとして与えるかが課題だったという。
BMW AG BMWエクステリア・クリエイティブ・ディレクターの永島譲二さんによると、「陸上の短距離走で、クラウチングスタート時の“用意”で腰を上げる。その時の前傾してこれからダッシュしようとするイメージ。サイドビューは、この姿勢を思わせるような躍動感のある形にしようとした」と話す。
具体的には、「ベルトラインとジッケライン(フロントフェンダーから前後ドアハンドルを通りテールランプに抜けるキャラクターライン)がかなり強いウェッジシェプをなしている。そしてその下のシャドウの部分も、水平ではなく、フロントで細く、徐々に後ろに行くに従って太くなる。これは前進感を表すイメージだ」と説明。
また、「FFで、かつ室内空間を重視するようなクルマの場合、割とボクシーなスタイルになりがちだ。それをなるべく避けたいと考え、ボンネットからAピラー、そしてルーフに流れるラインは、ルーフでカーブを与えて、少し丸みを出すことで速度感を強調した」と述べる。
更に、「サイドの面は、パワー感を強調するために、筋肉のように少しボリューム感を持たせた。しかしボリューム感を与えすぎると重くなる。そこで、その重さを視覚的に軽減するためにサイドシル上部にスプーンですくったようにネガティブな面を与えている」という。
リアにおいても工夫がみられる。「L字型のテールランプだ。これはBMWの他のモデルとも共通するもので、リアから見た時に一目でBMWだとよくわかる。そして、フロントと同様に幅を強調するということを大きなテーマにし、水平線の繰り返しと、テールランプの幅を広く取り、開口部の幅も広く取っているのだ」と、腰高感を軽減し、躍動感をいかに与えているかを語った。