JR北海道は10月5・6日の2日間、711系の全車引退(2015年3月限り)を記念し、711系国鉄色3連を使用した団体臨時列車「ありがとう711系道央縦横断号」を運転した。
711系は1968年8月、函館本線小樽~滝川間の電化を機に投入された、国鉄初の在来線用交流専用電車。1988年に721系が投入されるまでは北海道唯一の近郊形電車として、急行から普通列車まで幅広く運用された。
近年、733系や735系が投入されるようになると本格的な淘汰が始まり、今年8月30日のダイヤ改正で721系が函館本線岩見沢以北にも進出するようになると、大幅に運用が減少。現在は札幌~旭川間でわずかに定期運用を残すのみとなっている。
この列車に使用された編成は、千歳線・室蘭本線の電化を機に1980年9月、川崎重工業で製造されたS-110編成(クハ711-110+モハ711-110+クハ711-210)で、2日間ともこの編成が使用された。
コースは10月5日が旭川~小樽~札幌~室蘭、10月6日が室蘭~札幌~北海道医療大学~札幌~旭川。現在は定期運用を失い、今後はもう711系が見られないであろう、函館本線札幌~小樽間や千歳線・室蘭本線白石~室蘭間、札沼線(学園都市線)桑園~北海道医療大学間にも入線した。
10月5日には、小樽着発の時間帯に4番線ホームのステーションギャラリーで711系のクリアファイルが発売されたが、10分も経たないうちに完売となり、予約が受け付けられた。