【GARMIN HUD インプレ後編】コンセプトは秀逸、ナビアプリとの連携も上々

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電源を入れると、Bluetoothでスマホとペアリングするようにこの表示が出る。
  • 電源を入れると、Bluetoothでスマホとペアリングするようにこの表示が出る。
  • 夜間は自動的に明るさが調整される。昼間よりはかなり明るく見えるが、眩しく感じるようなことはない。
  • メニュー画面。非常にシンプルなナビアプリであることがわかる。
  • 目的地を見つけるとこのような画面になるので「ここへ行く」をタップするとルート検索が始まる。この画面に「高速優先」、「高速回避」のボタンがないために、操作性を大きく損なっている。
  • ガイド機能は必要十分で、料金所ではETCレーンも表示されるなど、ひと通りの機能は揃っている。
  • インターチェンジやジャンクションのイラスト表示もある。
  • 目的地の検索メニュー。「周辺」と「ジャンル」が別々になっているあたりは、古さを感じてしまう。最近のナビは「周辺」と「ジャンル」がひとつに統合されているのが普通だ。
  • ペアリングが成功するとOKと表示される。これで準備は完了だ。

「nuvi」シリーズでポータブルカーナビの個性派モデルを次々と繰り出してきたGARMINが、”超”がつくほど斬新な製品を発売した。スマホのカーナビアプリの「外部ディスプレイ」として機能する「HUD (Head-Up Display)」がそれだ。インプレ後編では、付属ナビアプリとの組み合わせての使用感をレポートしたい。

◆本機の評価はナビアプリの出来しだい

本機はスマホアプリの「マップルナビ for HUD」との組み合わせでしか使えない。そのため、どの程度実用になるか、使い心地はどうかといった評価は、スマホアプリの出来次第とならざるを得ない。ではそのアプリの出来はどうかというと、「必要十分」というのが正直なところだ。

オンボード型で地図データはスマートフォン本体に収録するため、スクロールや経路探索は高速で、レスポンス面に不満はない。経路案内は通信圏外時でも可能だが、目的地の住所検索や電話番号検索をするときは通信環境が必要だ。案内画面や地図の分かりやすさなどもベースとなったナビアプリ「マップルナビK」譲り。残念ながら渋滞情報や駐車場の空満情報などのリアルタイムな情報はないが、渋滞ぬけみち情報や電子ガイドブック連携や「ぐるなび」連携といった独自の機能を持っている。

シンプルなりにまとまっていて過不足なく使えるアプリではあるのだが、改善して欲しいのはルート検索の条件設定だ。設定メニューには「おすすめ」「高速優先」「高速回避」があるが、ルート検索をするときにそれを選ぶことができない。例えば設定で「高速優先」になっていれば、ルート検索時には問答無用で高速優先のルート検索になる。一般道に変更したければルート検索後に表示される「条件変更」をタップすればいいのだが、二度手間となり少々面倒だ。

◆GARMIN製アプリが使える海外版なみの機能実現に期待

ともあれ、ヘッドアップディスプレイをカーナビに利用するという本機のコンセプトは非常にうまくいっている。運転中の視線移動は通常のカーナビを使っている時よりも格段に少なくなり、安全性の向上に効果があることは疑いようがない。全く新しいタイプの商品なので懐疑的に見る向きも多いだろうが、本機は目新しさだけの安直な商品ではなく、非常に実用性の高いものだ。

とくに、カーナビをコンソールの下の方など、前方の視界から離れたところに設置せざるを得ない車種ではその効果は絶大といえる。カーナビの新しいスタイルとして定着して欲しいくらいだ。設置場所についてもダッシュボードにある程度の広さがあればどのクルマにも設置できるし、視野角が広いため、ドライビングポジションに制限があるようなクルマでも十分な視認性を確保できるのもポイントだ。

余談だが、アメリカなど海外版のHUDはGARMIN製のアプリと組み合わせて使える。当然、機能は充実しており、HUDのスピード表示は「現在の速度/制限速度」となる。また、渋滞を表示したりオービスを警告するといったこともできるようだ。日本版でも同等の機能が実現できれば、本機は大ヒット商品になる可能性は高い。

《山田正昭》

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