通信速度200GB/秒の光通信衛星網、2017年打ち上げへ

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日本でも超小型衛星に光通信装置を搭載し通信実験を行う準備が進められている。写真はNICTの開発した衛星光通信モジュールSOTA
  • 日本でも超小型衛星に光通信装置を搭載し通信実験を行う準備が進められている。写真はNICTの開発した衛星光通信モジュールSOTA
2014年9月10日、光学衛星大手のボール・エアロスペース社は、2017年から打ち上げを目指す光通信衛星網開発の主契約者として、レーザーライト・コミュニケーションズ社と契約したと発表した。

レーザーライト・コミュニケーションズ(LLC)は、中軌道(高度2000km程度より上)に8機から最大12機の光通信衛星を打ち上げ、世界で48か所以上の光地上局と接続する、電波を使わない衛星通信網の構築を計画している。衛星どうしが光通信でデータを交換する通信料は最大で毎秒6TB、地上への光通信サービスのデータ転送量は毎秒200GBに達する。現在主流の電波によるダウンリンクの100倍近いスピードだという。

LLCの資料では、2014年中に衛星光通信の実証試験施設を開設し、衛星の開発に着手。2017年から2018年にかけて最初の衛星3機(うち1機はバックアップ)を打ち上げてサービスを開始する予定だ。全衛星が打ち上げられ、フルサービスを行うのは2030年だという。光通信に利用する波長は、目に入っても組織への影響がごく小さいとして世界的に推奨されている1550ナノメートル帯を利用する。

今回、世界で24事業者の中から、15か月の選定期間を経てボール・エアロスペースが衛星開発事業者として選定された。ボール・エアロスペースはハッブル宇宙望遠鏡の観測機器の一部やケプラー宇宙望遠鏡などを開発。最近では、商用では世界最大の解像度を持つデジタルグローブ社の光学地球観測衛星「WorldView-3」の衛星開発などを担うなど衛星光学機器の技術で実績を持っている。

衛星通信を電波から光通信に切り替え、通信速度を向上させる取り組みは世界的な潮流となっており、日本ではNICT 情報通信研究機構が中心となって衛星搭載の光通信機器の開発やレーザー光が大気中を通過する際にうける大気ゆらぎの影響の検証などを行っている。また、低軌道の地球観測衛星の性能が向上し、データ量が増大するにつれてより大容量のデータを高速に送信できる技術が求められており、JAXAなどは低軌道衛星のデータを静止軌道上で中継し地上に送信する「光データ中継衛星」の開発を検討している。
《秋山 文野》

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