国際宇宙ステーション「きぼう」からの超小型衛星放出機構に不具合

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正常に動作する場合は、ナノラックス衛星放出機構から衛星は高度約400kmの軌道に展開される。
  • 正常に動作する場合は、ナノラックス衛星放出機構から衛星は高度約400kmの軌道に展開される。
  • 8月19日にキューブサット放出が成功した際のナノラックス衛星放出機構

2014年9月3日、米NanoRacks(ナノラックス)社は、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」から超小型衛星を放出する機構に不具合が発生したと発表した。衛星放出ミッションは現在休止している。

8月22日のNASA・ISS活動報告によれば、8月21日と22日にナノラックス衛星放出機構による、2回のキューブサット(10cm角規格の超小型衛星)放出を行ったところ、不明な原因により衛星の軌道への展開は成功しなかった。それより前の8月19日の衛星放出は成功しており、NASAのマーシャル宇宙飛行センターとJAXAの筑波宇宙センターの地上管制官が原因の調査を開始していた。

ナノラックス社の発表では不具合の原因を公表していないものの、ISSへ新しい放出機構のコマンドボックスを送ることが決定したという。不具合の発生箇所が機械を操作するスイッチ類のコマンドボックスであれば、不具合は電機部品であると考えられ、「きぼう」の小型エアロックやロボットアームの問題ではないとみられる。

新しいコマンドボックスは、現在ISS上で準備されている超小型衛星、2015年初頭に予定している次回の超小型衛星のどちらへも対応可能だという。コマンドボックスは今後のISSへの補給ミッションで打ち上げられるため、衛星放出は機器の修理が行われるまで当面は休止となる。

《秋山 文野》

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