2014年度内の燃料電池車(FCV)市販を計画しているトヨタ自動車は、重要ユニットである高圧水素タンクの内製量産化への準備を加速している。その一環として、このほどタンクを自主検査して製造するための国の認可を得たと明らかにした。
FCVの水素タンクは700気圧もの高圧タイプであり、製造に関しては高圧ガス保安法に基づく検査が必要で、トヨタはこれまでは認定された外部機関による立会検査を受けてきた。今回、トヨタはこの種の高圧タンクとしては初めて、自社で検査できる「登録容器製造業者」としての認可を得た。
同社によるとこれまでは、タンク20個を1ロットとして外部機関の検査を受けてきた。検査は製造途中と完成後に計2回受ける必要があり、20個だと合計で1.5日もの工数を要していたという。今後は自社工場ラインでの検査が可能となるため、「生産効率の向上など、相当な原価改善につなげることが可能」(広報部)とみている。