JR九州、「或る列車」風の気動車を導入へ

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JR九州が来夏から運行を開始する「スイーツ列車」の車両イメージ。デザインは幻の客車として知られる「或る列車」をモチーフにするという。
  • JR九州が来夏から運行を開始する「スイーツ列車」の車両イメージ。デザインは幻の客車として知られる「或る列車」をモチーフにするという。
  • 原鉄道模型博物館で展示されている「或る列車」の模型。実物は1908年までに5両が製作されたが、ほとんど使用されることなく教習車に改造され、戦後の1956年までに全車廃車となった。
JR九州は8月27日、「車内で特別なスイーツを楽しみながら、特別な時間を過ごしていただける」新しい列車を運行すると発表した。2015年夏頃から久大本線と大村線で運行を開始する。

新しい列車は気動車2両編成を使用。鉄道マニアの間では幻の客車として知られている「或る列車」をモチーフとし、テーブル席を中心にサービスカウンターを設置する。定員は40人程度。土曜・休日や夏休み、春休み、ゴールデンウィークなどを中心に久大本線と大村線で運転する。車内では地元の食材を使用したスイーツを提供する。

いわゆる「或る列車」は、現在の鹿児島本線などを運営していた九州鉄道(初代)が米国ブリル社に発注した、特別車(展望車)や1等寝台車など5両で構成される豪華客車編成。車両が日本に到着した1908年には九州鉄道が既に国有化されていたため、当時の国鉄線を運営していた帝国鉄道庁が引き継いだ。

しかし、1908年に上野~日光間や新橋(現在の汐留)~横浜間で外国貴賓客向けなどの列車として運転された記録はあるものの、実際に旅客列車として使用された形跡はほとんどなく、1925年頃までに教習車に改造。戦後の1956年までに廃車されている。戦前の鉄道誌「鉄道趣味」が「或る列車」と題した記事でこれらの客車を紹介したことから、現在も「或る列車」と呼ばれることが多い。

JR九州は新しい列車で使用する気動車について、原鉄道模型博物館(横浜市西区)を開設した原信太郎さん(7月5日死去)が愛した「或る列車」の模型を元に、「1分の1サイズの『或る列車』」を製作するとしている。原鉄道模型博物館の原健人館長が監修し、ドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治さんがデザイン・設計する。
《草町義和》

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