富士重工が発売した『WRX S4/STI』は、これまでの『インプレッサ』の派生モデルという位置づけから、大きく差別化を図ったデザインになった。
スバル商品企画本部デザイン部の中村真一さんは、「初めはインプレッサから大きく変化させるという発想は持っていなかった」と明かす。
「開発当初は、最小範囲でデザインをまとめるということから、(インプレッサと)差別化のレベルは小さく、パッと見るとインプレッサだと思ってしまう程度だった」という。
中村さんは、「当初のままであれば、インプレッサWRXという名称のままでよかったかもしれない。しかし、今回の使命として、インプレッサWRXではなく、“WRX”というブランドとして独立させるということから、パッと見で、違ったクルマに見せないといけない。そこで、このままではダメだと、少しでも変えていこうと今のデザインにつながって行った」と話す。
その結果、現在のWRXのデザインが完成した。そのデザインについて、中村さんは、「WRXのデザインの命はパフォーマンスの表現だ。ブリスターフェンダーなどでタイヤ周りのアグレッシブで動的な力強さ。そこにプラスして、遠くから見てぐいぐいと走ってくるような、力強い顔周りにこだわった」とその特徴を語った。