トヨタ自動車が8月25日に期間限定での販売を発表した『ランドクルーザー70シリーズ』は、国内販売を終了して10年経つが、未だに根強いファンが多いモデル。小鑓貞嘉チーフエンジニアは今回の復活のきっかけは「ファンの存在」だと言う。
「日頃頂くお客様の声に何とかして応えたかった。とにかく何らかの理由をつけてもう一度出せないかと考えていた。トヨタとしては、一度販売を終了したクルマを復活させるのは初めて」(小鑓氏)。
小鑓氏は、今回の復活には「ランクルに秘められた魅力を、日本の方々に今一度思い起こして頂きたい、というのはもちろんのこと、世界の人々の生活、命を支えている存在だということを、改めて知ってもらいたい」と復活の思いを込めている。
ランドクルーザー70シリーズは、オーストラリアや中近東、アフリカなどに輸出し、未だに売れ続けているモデルである。耐久性、信頼性、走破性などで高い評価を得、自家用車としてはもちろん国連の支援活動車など“働くクルマ”としても使われている。
「日本で販売を終了した今でも、ランクル70 は“メイド・イン・ジャパン”。ランクル というのは本来はこういう力強いクルマなのだということを、多くの人に知ってもらいたい。そしてなにより乗ってもらえる機会を作りたかった。ファンの人はもちろん、今まで買いたくても変えなかった人、70系が好きだけれども、メンテナンスに抵抗を感じている若い人にも応えられる」(小鑓氏)。
では、単なるファンカーとしての日本導入なのか? 小鑓氏は「北海道、東北などの北の地方では、未だに70系が走っている。その人達からも“乗り換えるクルマがない”との声を聞いており、それに応えられると思う。日本は道が整っているとはいえ、まだまだ自然環境が多い。4WD本来の面白さ、性能を感じたい人には、ランドクルーザー70 は魅力的なモデルだ」と述べた。