スズキは8月25日、新型『ワゴンR』、『ワゴンRスティングレー』の販売を開始した。
ライバルが続々と進化を遂げ、ますます競争が激しくなる軽ワゴンクラス。そんな中スズキは、同社自慢の「エネチャージ」を進化させ「S-エネチャージ」と、改良型エンジンのコンビネーションで対抗する。
「エネチャージ」で培ったエネルギーマネジメント技術をベースに、モーター機能付発電機「ISG(Integrated Starter Generator)」と大電流に対応する専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせ、エンジンの改良により32.4km/リットル(JC08モード)を達成。軽ワゴンクラストップの数値をマークする。
ISGは、減速時のエネルギーで発電し、鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの両方に充電。S-エネチャージのISGは、従来のエネチャージに搭載されるオルタネーターよりも発電能力を約30%向上させている。
蓄えられた電力は各種電装品に用いられるほか、パワーを必要とする加速時には、ISGがモーターの役割も果たし加速をアシスト。ISGはスターターモーターの役割も果たし、一人三役の働きをする。このため、軽自動車という限られたサイズの中で、居住性、利便性を犠牲にせずに燃費を改善した。
エンジンは“正攻法”で進化を遂げた。搭載されるR06A型エンジンは、圧縮比を11.0から11.2へとアップし、燃焼効率の改善と摩擦抵抗の低減により燃費を向上させている。
スズキ 四輪技術本部 第一カーライン長 鈴木直樹氏はISGの搭載の効果を次のように述べた。
「従来のオルタネーターに比べ減速時や発電時の効率を30%ほど向上させた。エンジン再スタート時の消費電力も、セルモーターに比べ10%ほど低減した」(鈴木氏)
さらに鈴木氏は、ISGのもう1つのメリットについて「ベルトを介しているため、スムーズで速い再始動が可能となり、今までのエネチャージ車が再始動が約0.4秒かかっていたのが、ISG搭載車両では約0.3秒に縮めることができた。ギア音なども発生せず、スタート時の車内騒音も約40%低減することができた」と説明した。