25日に正式発表された新型スバル『WRX S4』『WRX STI』。商品企画本部 プロダクトゼネラルマネージャー 高津益夫氏は、S4、STIの2つモデルについて開発コンセプトや概要を説明した。
WRXは、92年の初代から、WRC(世界ラリー選手権)、現在のNBR(ニュルブルクリンク24時間耐久レース)の他、さまざまなモータースポーツカテゴリーで活躍している車だ。よってWRXは「勝つため」に設計され、安全性能やドライバビリティで車の信頼性を高め、ドライバーの自信につなげることが重要な設計コンセプトだという。
今回の新型WRXの開発コンセプトである「Pure Power in Your Control」も、同じ思いが込められており、パワーとコントロールを究極までバランスさせたという。高津氏は、究極バランスを実現するためには、ステアリングレスポンス、リアタイヤグリップ、フラットライドが3つ鍵となるとする。ステアリングの応答性を高め、リアタイヤのグリップを安定させれば、コーナリングの軸を安定させ、より高い速度でも安全に走行が可能となる。そして、低重心、最適なボディ剛性が走行性能と安定した乗り心地(フラットライド)を実現するということだ。
ステアリングレスポンス、リアタイヤグリップ、フラットライドのバランスは、ボディ、シャーシ、サスペンションの設計およびチューニングによって実現される。そのフィーリングについて高津氏は、「車が手足の延長になったような感覚」と表現し、車との一体感を多くのドライバーに提供したいとした。
とくにS4では「安心と愉しさ」を追及しており、すでにレヴォーグで高い評価を得ている2.0L直噴ターボエンジン(DIT)とリニアトロニックとの組み合わせに加え、アイサイトVer.3をS4は全車に標準装備し、プリクラッシュセーフティやレーンキープ機能も提供する。SIドライブは、8速クロスミッションをモードごとに制御しスポーツモードからインテリジェントモードまでイージードライブを実現しながら、ブルーボクサーエンジンと相まって13.2Km/L(JOC08)の燃費を実現したという。
同氏は最後に「これまでの日本にはなかった車ではないか」と新型WRXの性能に自信をのぞかせた。