札幌市は7月25日、「路面電車ループ化」の開業時期を見直すと発表した。当初は2015年春の開業を目指していたが、度重なる入札の不調などから2015年10月以降に変更する。
同市交通局が運営する札幌市電は、市営地下鉄南北線の大通駅に近い西4丁目停留場(中央区)から中央図書館前停留場まで南下し、再び北上して南北線すすきの駅に近いすすきの停留場までの8.4kmを結んでいる。西4丁目停留場とすすきの停留場は、直線距離で400m弱しか離れていないことから、両停留場を短絡する軌道を敷設し、市電を環状線化する構想が浮上。2013年4月8日に軌道運送高度化実施計画が認定され、事業に着手した。
札幌市によると、2014年度に軌道工事などを進め、習熟運転などの準備を経て2015年春に開業する計画を立てていた。しかし、今年1・3月に実施した入札が不調となったため、当初想定していた工期からの遅れが生じている。工期短縮のため土木工事と軌道敷設工事を並行して実施することなども検討したが両工事の同時施工は難しく、厳冬期の施工も品質管理上の問題があることから、実質的な軌道敷設工事は2015年の雪解け後に着手することにした。
札幌市は2015年10月以降、遅くとも2015年内の開業を目指すとしている。