6月18日に国内販売が開始されたダイハツの新型『コペン』。初代モデルから全面刷新を受けた同モデルには、様々な試みが用いられているが、排気系のサウンドチューニングもその中のひとつである。
コペンのマフラーは、低回転域では重低音を強調し、高回転域では不快な高周波成分を除いた伸びのあるサウンドとなるよう専用設計がなされている。
サウンドを決めて行くにあたり、開発を担当したダイハツ工業の開発部、性能設計副主任の勝倉成央氏は「他社のスポーツモデルの音も研究しましたが、その真似では意味がありません」と語る。
「コペンオリジナルのサウンドを作るため、コンピュータ上で加工した様々なサウンドを、社内のあらゆる年代、そして男女問わず人たちに聞き比べてもらい、どんな音がスポーティなのかを議論しました。その結果、低速域では低音を強調し、かつ高回転域では伸びのあるサウンドという答えが生まれました」(勝倉)。
サウンドを作り上げる工夫はそれだけではない。勝倉氏は「マフラーの音をドライバーに聞かせるため、室内の音響特性も作り込みました。エンジンが高回転粋になれば、必然的にメカノイズが大きくなりますが、それを押さえるために防音材に気を配るなど、車体にも気を配りました」と語った。
車種によっては、吸気音でスポーティさを表現する車種も存在する。しかしコペンはマフラーからのサウンドを重視している。勝倉氏がいうには「エンジン自体の音は作り込みができず、吸気音はアクセルを踏み込んでいる時にしか、ドライバーに届きません」とのことだ。