【三菱ふそう スーパーグレートV 発表】“V”に込められた「5世代目」以外の意味とは

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三菱ふそう・スーパーグレートV
  • 三菱ふそう・スーパーグレートV
  • 左から、中込氏とデッカー氏
  • 三菱ふそう・スーパーグレートV 発表記者会見
  • 三菱ふそう・スーパーグレートV
  • プロジェクトリーダーのトーマス・デッカー氏
  • 開発本部エンタイヤビークル開発統括部長 中込和宏氏
  • 燃費テストは、栃木県喜連川市のテストコースから福島県までをを往復して検証
  • 検証の結果、ライバル車よりもトータル約10%の燃費優位性があることがわかった

三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は、6月23日、全車で2015年度重量車燃費基準+5%達成車となった大型トラックの新型『スーパーグレートV』記者会見を、自社の川崎工場で開催した。なお、同車は5月29日よりすでに発売開始となっている。

スーパーグレートVは、国内初となる「アシンメトリック ターボチャージャー」と「電子制御可変流量ウィーターポンプ」を採用した最新の6R10エンジンを搭載。「電子制御オートクール ファンカップリング」や「ISS(アイドリングストップ&スタートシステム)」を標準装備することで、ライバルを凌駕するトップクラスの燃費を実現した。

「トップクラスの燃費」は、具体的な数値は明らかにされなかったものの、同社が社内で検証した燃費によって判明したことに基づく。検証テストは、旧スーパーグレートとの比較で約1500km、同クラスの他社比較では約2700kmを走破し、この結果、旧スーパーグレートとの比較で約5%向上していたという。もともと旧スパーグレートの燃費は同クラスのライバルよりも約5%程度優れていたとしており、これを加えるとライバル車比ではトータル約10%程度の優位性が確保できたことになるわけだ。

なかでも特筆すべきは、排ガス成分を水と窒素に分解するための尿素水(AdBlue)の消費を約7割ほど低減させていることだ。これは効果的なEGRの利用によってNOxの排出を減らすことで実現したもの。電子制御可変流量ウォーターポンプについては、水温に応じてポンプの流量を流体クラッチで制御して効率的なエンジン冷却を実現。ポンプの駆動損失を減らしたことで燃費改善にもつながったという。また、電子制御オートクール ファンカップリングも必要なときのみ動作する仕組みで、無駄な駆動ロスの抑制につながっている。

これらの積み重ねによりトータルコストを低減。プロジェクトリーダーのトーマス・デッカー氏は、「スーパーグレートVは燃費に優れ、ビジネスで最高の利益を稼ぎ出すマシンとなった。車名に付いた“V”は、スーパーグレートで第5世代目の意味もあるが、燃費やパワーで“Victory”を獲得し、これがビジネスでも“Victory”につながるという願いを込めて名付けた」という。

当日は、生産ラインの見学会も実施。別の場所で作られたフレームがラインに到着すると、そこから必要な部品を順番に組み付け、クレーンで吊ったエンジンやキャビン部分をマウント。キャビン部分は重量が1t近くもあるため、組み付ける際はクラクションによる合図を発して行うという。さらに、検査ラインでは衝突軽減ブレーキ「AMB」の検査する様子も披露した。

《会田肇》

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