昭和シェル石油は16日、F1からフィードバックを得た新ハイオクガソリン「Shell V-Power」(シェル Vパワー)の国内発表会を行なった。新V-Powerは、7月1日から国内40都道府県で販売される。
発表会ではまず、同社の森下健一執行役員が、「昭和シェルから新ハイオクガソリンが登場するのは12年ぶり。長年パートナーシップを結んでいるフェラーリとの共同開発により、 F1フィールドで培った技術を反映し、新世代のプレミアムガソリンとして、あらゆるクルマに対応した」と述べた。
また、現フェラーリF1チームドライバーをつとめるフェルナンド・アロンソ選手が、本物のフェラーリF1カーに、このV-Powerを入れてテストした映像を公開。ビデオでアロンソ選手は、「レースで勝つためには加速力が何よりも必要だが、正直なところ公道用の燃料でF1マシンのポテンシャルが引き出せるかは微妙だ」と述べた上でテスト開始。走行中、インタビュアーが「調子はどう?」と訪ねると、「レース用燃料とほぼ同じ加速性能だ。レース状況とほとんど変わらないエンジンパフォーマンスを体感できている。正直ここまでとは思わなかったよ」とコメントした。
商品の特徴について、商品開発課の岡部伸宏課長は「エンジン性能が低下する原因のひとつは、バルブに付着する汚れだ。新V-Powerはその汚れの洗浄力が非常に高く、使い続けることによりエンジンが持つ本来の性能を回復し、より引き出すことができる」と語る。そして「従来のシェルプレミアムは2002年当時のエンジンに合わせた燃料だが、今回は現代のエンジンを用いて開発した。大排気量車から、ダウンサイジングターボ、ハイブリッド、軽自動車に至るまであらゆる自動車に対応し、エンジンのポテンシャルを最大限に引き出せる」と続けた。
従来のシェルプレミアムは全国のシェル店舗のうち、58パーセントで販売しているが、今回は全国40都道府県、93パーセントの店舗に大幅増加。森下執行役員は、「日本のお客様、特にシェルのハイオクユーザーは品質を求める傾向が強い。まずはプレミアムカーやスポーツモデルユーザーに訴求を高め、品質を納得してもらい、やがては全カテゴリのユーザーに訴求していきたい」と述べた。