【ルマン24時間 2014】ハイブリッド3強レース総括…アウディの強さ、トヨタの速さ、ポルシェのしぶとさ

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2014年のルマン24時間耐久レース、終わって見ればアウディ『R18 e-tronクワトロ』の1-2フィニッシュで幕を閉じた。

リザルトだけを見れば、アウディの強さばかりが強調されたかたちだが、トヨタとポルシェもそれぞれ見せ場を作り、すべての時間帯において気を抜けない緊張感に満ちたレースだった。

序盤から中盤にかけてレースを支配したのはポール・ポジションからスタートしたトヨタ『TS040ハイブリッド』7号車だ。13時間にわたり目覚ましい速さを見せトップを快走、中嶋一貴らの力強い走りでアウディとは2分前後のギャップを維持していたが、深夜帯に突然のストップそしてリタイヤ。原因は電気系のトラブル。マシンの根幹を成すハイブリッドシステムを含むトラブルだけに、トヨタ関係者の衝撃は計り知れないものだったろう。救いだったのは、序盤に降り出した豪雨による大クラッシュから生還を果たした8号車がポディウムフィニッシュにこぎ着けたことだろう。

ポルシェ『919ハイブリッド』は、序盤に14号車がエンジントラブルで長時間のピットストップを強いられたものの、その後は粘り強さを発揮して、着実にステップアップ。そして上位を走行していた20号車は終盤のアウディのトラブルにつけ込んで息をのむ優勝争いを展開した。しかし、そのつばぜり合いはレース残り1時間半というところで暗転。先の14号車と同じく、エンジンにトラブルが発生、痛恨のリタイアとなった。そして続く14号車も最終盤に再びトラブルでピットイン。順位争いをあきらめ、80分に及ぶ長いピットストップの後にコースへ復帰してアウディと共にチェッカーを受けた。

アウディのレース運びは決して盤石ではなかった。WECの第1戦・第2戦ではトヨタの後塵を拝し、ルマンに来ても予選は奮わず、決勝では序盤にトヨタ8号車の巻き添えを食って3号車がリタイア、そしてトヨタ7号車には先行を許すなど、ウォルフガング・ウルリッヒ監督は気が気でなかっただろう。しかし、数々のトラブルもチームクルー一体の修復作業、ドライバーたちの速さと安定感はポルシェ/トヨタにはない強さだった。とくにアンドレ・ロッテラーは疲れ知らずの猛プッシュの走りで、間違いなくマン・オブ・ザ・レース。チェッカーを受ける際に感極まって目を潤ませたブノワ・トレルイエの表情も印象的だった。マシン・チーム・ドライバーによる三位一体のレース運びで、勝つべくして勝ったレースと言える。

今年のルマンはこれで終わったが、WECのシリーズはまだ5戦も残しており、3ワークスによるチャンピオンシップのポイント争いは拮抗している。サマーバケーションを間にはさみ、次戦は9月19日・20日米国テキサス州オースチンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズでおこなわれる。その次の舞台は3週間後、10月11日・12日の富士スピードウェイだ。

さらに心躍るのは来年のルマン。雪辱を期すトヨタ、6連覇目指すアウディ、そして2014年シーズンの経験を踏まえて万全の体制で挑むポルシェ。これに『GT-R』を冠したマシンによるワークス参戦を表明した日産が加わり、ますますスリリングなレースが期待される。今回の『ZEOD RC』ではわずか5周でリタイアという残念な結果に終わったが、これで良しとする日産のレースマシン開発陣ではないだろう。4メイクのワークスの争いがいまからとても楽しみでならない。
《北島友和》

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