吾妻線、10月1日から新ルートに…八ッ場ダム建設で線路移設

鉄道 企業動向

吾妻線岩島~長野原草津口間の線路付替区間(平面図は南が上)。現行ルートの線路が八ッ場ダムの水没範囲に入ることから、ダムの南側にトンネル主体の線路を建設し、10月1日から使用を開始する。
  • 吾妻線岩島~長野原草津口間の線路付替区間(平面図は南が上)。現行ルートの線路が八ッ場ダムの水没範囲に入ることから、ダムの南側にトンネル主体の線路を建設し、10月1日から使用を開始する。
  • 線路の切替により営業距離も変更。吾妻線全体では0.3km短くなるが、川原湯温泉駅から渋川方面へは0.6km長くなる。
JR東日本高崎支社は5月20日、八ッ場ダム(群馬県長野原町)建設の一環として実施している吾妻線の線路移設工事について、10月1日から新ルートによる営業運転を開始すると発表した。現行ルートでの運転は9月24日限りで終了する。

吾妻線は、上越線の渋川駅(群馬県渋川市)から分岐して大前駅(嬬恋村)までの55.6kmを結んでいるJR東日本の鉄道路線。途中の川原湯温泉駅(長野原町)とその前後の区間が八ッ場ダムの建設で水没することから、水没範囲を含む岩島~川原湯温泉~長野原草津口間の約10kmを新しいルートの線路に付け替える工事が行われている。

現在の吾妻線は渓谷沿いの険しい地形を縫うような線形で、カーブの最小半径も200~300mとなっている。これに対し新ルートの線形は八ッ場トンネル(4489m)と川原湯トンネル(1870m)、横壁トンネル(1720m)で構成されるトンネル主体の直線的なルートで、最小半径も600mに緩和。高崎支社は「降雨・積雪等に対する防災強度の向上、曲線改良・踏切除却等による安全・安定輸送の確保がなされ、お客さまの利便性の向上が図られます」としている。

一方、日本一短い鉄道トンネルとして知られる岩島~川原湯温泉間の樽沢トンネル(7.2m)は八ッ場ダムの水没範囲から外れているが、水没範囲の前後に伸びる新ルートからは外れており、現行ルートでの運転終了に伴い使用を中止する。

線路の切替工事は9月24日の終列車運転終了後から翌25日夕刻まで実施。その後、10月1日の初発列車から新ルートでの営業を開始し、同時に川原湯温泉駅も新ルート上に移設される。これに伴い9月25日は中之条~岩島~大前間で列車を運休し、9月26~30日は運休区間を岩島~大前間に短縮する。バスによる代行輸送は9月25日から30日まで、中之条~大前間で実施する。

また、新ルートへの移設で10月1日から営業距離が変更され、吾妻線全体では現在より0.3km短い55.3kmに。岩島~川原湯温泉間は0.6km長い6.5km、川原湯温泉~長野原草津口間は0.9km短い5.0kmになる。これにより運賃も一部の駅間で変更され、小野上温泉~川原湯温泉間は現在より90円高い500円、川原湯温泉~羽根尾間は30円安い210円になる。付替区間をまたぐ駅間では、金島~羽根尾間が80円安い760円、市城~群馬大津間が80円安い500円、郷原~袋倉間が90円安い410円になる。
《草町義和》

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