東京急行電鉄(東急)はこのほど、2014年度の鉄軌道事業設備投資計画を発表した。総額は432億円で、東横線代官山・武蔵小杉・横浜3駅へのホームドア設置や施設の耐震補強推進など安全対策とサービス向上に380億円、祐天寺駅の通過線設置工事など輸送力増強に52億円を投じる。
安全対策とサービス向上では、大規模な地震に備え、駅や高架橋の耐震補強工事を進めるとともに、高架橋、橋梁などの超寿命化工事を進め、災害による設備への被害軽減を目指す。耐震補強はあざみ野・下神明・綱島各駅などで実施する。雷による被害対策として、避雷設備の増強にも取り組む。
ホームや踏切の安全対策としては、東横線の3駅へのホームドア設置をはじめ、踏切の障害物検知装置を、歩行者を検知しやすい「3D式」に順次更新する。そのほか、非常停止ボタンの増設や監視カメラの新設・増設を行う。
今年2月に東横線元住吉駅で発生した追突事故に関しては「事故を教訓に安全体制をさらに強化」するとしている。
サービス面では、列車の運行支障時や災害時に振替ルートや運転再開見込みなどを表示する「お知らせモニター」を今年度中に全駅に設置。駅構内照明の全駅LED化も推進する。渋谷駅では、4月にオープンしたトイレや授乳室、女性用パウダールームなどのある施設「渋谷ちかみちラウンジ」に続き、駅施設のリニューアルや案内の強化を目的としたサインの増設、エスカレーター・エレベーターなどの増設を行う。
輸送力増強の取り組みでは、東横線祐天寺駅での優等列車通過線設置工事を引き続き進める。また、東横線旧渋谷駅や高架橋などの撤去工事も続ける。